この駅の、この通りの、1階で。
という譲れない条件があるゆえに、
そう簡単には自分の店を開きたい物件には出会えないと知った現実。
物件に関しては、焦らず探そうと腹をくくり、
そして、その分勉強・準備の期間が十分とれてラッキーだ、
と、前向きに考えることにして、
とりあえず、図書館に通って、飲食店開業に関する本を
ひたすら読み漁る日々。

面白いことに、出版社も作者も違うのに、どの本でも
核になるポイントとして書いてあることは共通。
その中でも、
業態コンセプトをはっきりさせろ。
ターゲット客層を絞れ。
という言葉には、なるほどなあ・・・と思った。
たとえば、
「70年代の陽気なアメリカ」
とか、
「季節の旬な野菜をベースにした居酒屋」
とか、
「スペインの田舎風バル」
とか。
コンセプトがなく、ターゲットの客層が絞れないで開店した店は、
結局、色々な人を取り込みたいと思いながら、
誰も取り込めないお店になる、ということだ。
そうそう、たしかに、看板や、飲食店を探す時によく見るホームページとかに
そういう一言って、書いてある。
そうして、けっこうそういう言葉でお店を決めてたりする。
仕事仲間と、ちょっと真面目に語り合いたい時は、
全室個室の落ち着けそうな居酒屋とか、
大学時代の友達と久々に集まってわいわいやりたい時には、
多少うるさくしても良さそうな、長居できそうなお店とか、
ママになった友達と、子連れで会う時は、
「子どもメニューあり」と書いてあるお店を選んだり。
してる。たしかに。
そして、そうして選んだお店には、やっぱり似たような雰囲気のお客さんが
集まってる。
そのことに気づいて、しばらく考えてみた。
わたしは、どんなお店を作りたいの?
陽気な? 元気な? 明るい? 落ち着いた? にぎやかな? 味わえる?
・・・・・わたしの頭に浮かんだのは、暖かい光。
昼間は太陽の。夜は素敵な間接照明の。
そうして、その日あった嫌なことも、明日からのハードな日々も、
一瞬、まあいいや、と思えるような場所。
うちでは作れない料理(外国料理のため)。
自分のような、そして、かつての仕事仲間のような、
寝る時間もけずって心もけずって働いている大人の女性が
くつろげる店。
一人でも安心して、ホッと一息、料理を味わえる店。
・・・ああ、そうか、自分があったらいいな、と思える店を作ればいいんだ。
全力で。
そう気づいた時。もう一つ、同時に気づいた。
実は、この前、二次面接までいったパートの面接に
「応募してきた優秀な人の一人だった」
と言われながらも、落ちた。
これって、もしかして同じこと?
わたしがどんな人で、
どんな職場で採用されたいか明確じゃないから、落ちた?
そう思った時にはもう、ハローワークに電話してた。
そして、ハローワークの人にこう言ってた。
「何件かお仕事を紹介してもらったのに、不採用になった要因を
知りたいんです。そのような指導はしていただけないでしょうか。」
すると、提出書類や面接の受け答えから一緒に分析して、
何が敗因だったのか探る相談窓口があるとのこと。
即予約。
当座の子供の教育費と生活費を稼ぐために、
採用されるところなら、どこでもいいんだけど。
という姿勢で探し始めたパート仕事。
しかし、こうなったら、とことんやってやる。
開業に向けても。
自分を見つめ直す作業も。
アスリートが、長年の凝り固まったフォームを
もう一度見直すような気持ちで。
苦しいだろうけど・・・。
性格、ちょっとМなので
よかったね。

