高校生偏⑭
起死回生で同点に追いついて延長戦。
雨は弱まることなく降り続いていました。
ピッチコンディションが悪い中で、
疲労もかなりありましたが、
延長戦に入る前に
私は仲間たちにこう伝えました。
「これまで積み重ねてきた努力、
応援してくれる人たちの想いを胸に、
最後まで走り切って、勝利を掴もう」
その言葉が火種となり、
チームの士気は一気に高まりました。
延長前半、全員が必死に走り、
ボールを追いかけました。
相手も疲れの色を隠せず、
守備に重きを置いてきました。
何度もシュートを放ちましたが、
ゴールは遠く、時間だけが過ぎていきました。
終了間際のセットプレーでは
ゴールキーパーを残して
全員が攻め上がるという状況でも
相手の守備を崩すことができませんでした。
試合はそのまま終了し、運命のPK戦になりました。
私は4番手を任されることになりました。
私たちは先行となりました。
1番手はチーム随一のPK職人でした。
誰もが安心して見守っていました。
しかし…
まさかの失敗。
私たちは動揺しました。
それから両チームが次々と決めていく中、
相手チームの3番手の選手が外してくれました。
同点に追いついたので「よし、いける!」
と思った瞬間、私の番が来ました。
今までで一番プレッシャーに感じていましたし、
すごく緊張をしていました。
でも、決める事しか考えていませんでした。
ホイッスルが鳴り、キーパーを見つめて、
深呼吸をしました。
助走を取ってボールを思いっ切り蹴りました。
相手のゴールキーパーが動けないほど
冷静に決めることができました。
応援団にガッツポーズをして
盛り上げてもらうことを
ジェスチャーで伝えました。
その後は相手選手も決めて、
同点のまま5番目のキッカーへ。
私たちのキッカーはキャプテンでした。
自信がありそうだったので信じていました。
そして…
蹴ったボールは大きく枠の外に飛んでいきました。
まさかの状況にみんなで頭を抱え込みました。
次のキッカーに決められると私たちの敗戦。
キーパーが止めてくれることを必死で祈っていました。
しかし、その祈りは届かず、
相手のキッカーが蹴ったボールはネットを揺らしていました。
私たちの思いは届かず、力尽きました。
その瞬間から私は泣き崩れていました。
この試合で勝つために3年間頑張ってきたこと、
目標を達成できなかった悔しさ、
親に無理を言って高校に通わせてもらって、
いつも応援してくれていたのに、
期待に応えられなかった無念さ。
色々な感情がこみ上げてきて
涙が止まりませんでした。
11月の冷たい雨が私の心と身体を打ち付けていました。
その後の記憶は少し飛んでしまっています。
母親の車で実家に帰っていました。
1時間ちょっとの道中もずっと泣いていました。
慰めてくれた母親の言葉も届きませんでした。
今思うと、それくらい自分を追い込んで
3年間頑張ってきたんだなと思います。
私の夢は叶わず、3年間は終わりを告げました。
次回では高校時代の総括を綴らせていただきます。
高校生偏⑮につづく
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