番外編②
歓喜に沸いた近畿ブロック大会。
全国大会には登録メンバーが20名から
18名に絞られるので、
10月の大会に向けてサバイバルが始まりました。
私自身、選ばれる保証はどこにもなく、
必死にアピールを続けました。
夏休み終わりには強化合宿があり、
9月には静岡へ遠征に行きました。
地元の強豪チームとの試合でしたので、
良い腕試しになりました。
試合後は静岡県選抜が大会に参加している
試合を観戦する機会がありました。
そこには、のちにJリーグや日本代表、
オリンピック代表として活躍する
選手たちがずらりといました。
彼らのプレーは圧巻で、
レベルの差を痛感すると同時に、
大きな刺激を受けました。
この頃の私たちは、まるでずっと同じチームで
プレーしてきたかのような団結力がありました。
そして迎えた10月初旬の最終合宿。
いよいよ全国大会メンバーの発表です。
名前が次々に呼ばれる中、
私は緊張で心臓が飛び出しそうでした。
そして…
私の名前が呼ばれました。
嬉しさと同時に、選ばれなかった仲間への
複雑な思いもありました。
それでも、「選ばれたからには全力で頑張ろう」
と心に誓いました。
大会は香川県で開催され、私たちはマイクロバスで
2日前に乗り込みました。
和気あいあいとリラックスをしていました。
前日には開会式に参加し、会場で練習をして
宿舎に戻りました。
そしていよいよ、決戦がはじまりました。
相手は神奈川県代表。
有名選手を多数擁する強豪で、
下馬評では神奈川が優勢とされていました。
私はベンチからのスタートとなりました。
試合が始まると確かに相手は技術が高く、
ボールを支配される時間が長かったので、
苦しい状況が続きました。
先制点を奪われて劣勢に立たされていました。
それでも粘り強く戦い、
前半のうちに同点に追いつきました。
前半は劣勢でしたが、後半に入ると一進一退の攻防となりました。
すると、私たちのチームのエースが得点を奪い、
逆転に成功しました。
その直後、わたしは途中から出場することになりました。
相手の攻撃を跳ね返し、カウンターでチャンスを幾つか
作りましたが、追加点を奪うことができませんでした。
時間はそのまま過ぎて、試合終了のホイッスルが鳴りました。
誰もが予想をしていなかった結果を、また覆すことができました。
全員が全力で戦った結果だと思います。
そして2回戦。
優勝候補の長崎県との対戦になりました。
強豪高校の単独チームでした。
しかし、この時はなぜか負ける気はしていませんでした。
私は1回戦と同様にベンチからのスタートとなりました。
試合開始早々から走力や体格で勝る相手に圧倒されました。
相手はさすがの強豪校だなと感じました。
防戦一方になっていましたが、
ディフェンスやゴールキーパーが耐えてくれていました。
少なくてもチャンスは何度か作れていました。
前半は0-0の同点で終了しました。
後半に入ると再び守ることに時間が取られていました。
そうすると粘り強く守備をしていたのですが、
失点をしてしまいました。
それでも私たちは諦めていませんでした。
それからチャンスを作り出してすぐに同点に追いつきました。
同点に追いついて数分後に私が監督に呼ばれ、
出場することになりました。
ピッチに入ってみると相手チームが
すごく焦っている気がしました。
私はチームメイトに落ち着いてプレーするように
伝えました。
そうすると逆に私たちがチャンスを多く作れるように
なっていました。
しかし、なかなか得点を奪うことができないまま終盤へ。
相手もゴールを奪おうと必死で攻めてきました。
耐えに耐えていましたが、終了間際に
今のU-20代表監督をしている選手に
逆転のゴールを奪われてしまいました。
そのまま試合終了となり、1-2で敗戦となりました。
最後の数分間の鬼気迫る攻撃は
やはり強豪校だということを感じました。
試合が終わってからのミーティングで、
スタッフ・選手全員が人目もはばからず
大泣きしていました。
悔しさもありましたが、
このチームが今日で解散してしまうのは
とても寂しい気持ちでした。
ここまで悔しい思いになれたのは、
監督・コーチ・選手が一体となって戦ってきたから
だと思います。
監督は「何年も選抜チームを見てきたが、今年のチームが
過去最高に良いチームだった」と言ってくれました。
私は選ばれるか選ばれないかわからない選手でしたが、
ここまでみんなと一緒に戦えて幸せだなという思いでした。
選んでくれたスタッフの方や一緒に戦ってくれた仲間には
とても感謝しています。
私のサッカー人生においてかけがえのない宝物です。
チームに戻っていよいよ集大成となります。
高校生偏⑬につづく
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