高校生偏①

 

 

🏫 覚悟の進学、親の支え

 

中学3年生の夏休みを終えた頃に、

私は全国大会を目指す強豪校への進学を決意しました。

 

それは和歌山県に新設されるサッカー強化校でした。

 

そこに入るには、寮生活が必要でした。

学費と寮費がかかってしまうので悩んでいました。

 

決して裕福ではない家庭でしたが、

それでも親は「やってみなさい」と背中を押してくれました。

無理を聞いてくれたこと、今でも感謝しています。

 

選抜チームのメンバーたちと一緒に練習会に参加し、

スポーツ推薦の資格を得て、無事に合格しました。

一緒にプレーをした選抜メンバーも多く、

期待と希望に胸が高鳴っていました。

 

 

🏃‍♂️ 1期生としての挑戦

 

入学後、待っていたのは想像を絶する練習の日々。

先輩がいない1期生だったので、

試合の相手は常に格上の3年生でした。

 

そのためにはまずは体力づくり。

入学式を終えたその日から、

山と坂を走る毎日が始まりました。

 

約2カ月間は走ることと筋力トレーニングが主でした。

朝練、授業、昼練、夜練。1日4回の練習。

 

テレビは寮に1台だけ。でも、見る暇なんてありません。

練習後は疲れ切っていて、ご飯を食べて、お風呂に入って、

洗濯をするのがやっとでした。

 

厳しい練習が続いていたので、脱落していく仲間もいました。

それでも私は、試合に出たい。全国大会に行きたい。

その気持ちは、決して揺らぎませんでした。

 

 

💪 障がいを越えて、身体を鍛える

 

右手がない私でも、腕立て伏せ、手押し車、馬跳び——

すべての練習をこなしました。

 

右手が痛くても決して弱音は吐かない。

言い訳にしたくはありませんでした。

 

「絶対にやってやろう」

その気持ちだけが、私を支えていました。

 

高校入学後、体重は約10kg落ちました。

その代わり、筋肉がつきました。

太ももは競輪選手並みに。

身体が語る努力の証。

それは、誰にも奪えない誇りでした。

 

 

 

⚽ 初めての公式戦と、悔しさの種

 

夏のインターハイ予選。

1年生だけで、3年生相手に挑みました。

 

不安を抱えながらも、1回戦から3回戦までは大勝しました。

しかし、ベスト8で昨年度の優勝校に敗北でした。

 

体格もスピードも、すべてが違いました。

 

「1年生だから」は通用しない。

悔しさと、もっと強くなりたいという危機感が、

胸に芽生えました。

「次は絶対に勝つ」そう言い聞かせていました。

 

まだまだ力不足のチームには

さらなる過酷なトレーニングが待っていました。

 

高校生偏②に続く

 

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