以下、完レポになりますで未プレイの方や、
ネタバレが嫌な方は即Uターンしてください。
また、あくまで私が選択したものであり、
結果を保証するものではありません。
選択肢は載せていません。
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関が原の決戦が近づくーー。
私は幸村様とともに戦うことを許してもらうため、昌幸様に決意を告げた。
私の覚悟と幸村様の信念を知り、昌幸様はそれを許してくださった。
私が生きる場所は、それがどこであろうと、幸村様のもとーー。
それこそが私の、まことの想いなのだ。
そしてついに時が来て、真田家の軍勢は関が原へとはせ参じた。
私はふたたび男の姿となり、遠縁の男子・剣之助として軍に参加することになった。
私が幽閉されていたことを知らない真田家の人たちは、心強い助っ人が来たと、快く私を受け入れてく
れた。
(たとえ神威家の姫でろうと、今の私は真田家のひとり)
(西軍の勝利のために、真田家のみんなのためにーー何よりも幸村様のために、戦おう)
幸村「やっーーはあっ!」
幸村様が刀を振るうと、どう、っと敵兵が倒れる。
幸村「まだまだーーやあっ!」
息をつく間もなく、また次の敵が斬りかかってくる。
見たこともないほどの、たくさんの軍勢。
関が原を埋め尽くすほどの、鎧武者たち。
真田家のお城で戦った時とは、比べものにならない人数だが、それに圧倒されている場合ではない。
敵兵「真田の者か、覚悟っ!」
私の鎧を見た敵兵が、襲いかかってきた。
「やあっ!」
向けられた刀を、私は自分の刀でたたき落とす。
「刀がなければ戦えまい!」
敵兵「っ…!」
相手の刀を奪い取ると、敵兵は後ずさって、自分の陣に逃げ戻っていった。
幸村「やるな、剣之助殿!」
おなじように敵兵を打ち負かした幸村様が、私に声をかける。
「幸村様こそ!」
幸村様に答えながら、ふと私は思っていた。
(なぜだろう…私は、自分が斬られる気がしない。こんなに大勢の敵方の兵がいるのに)
(それはきっとーー)
幸村「たあっ!」
幸村様の見事な剣さばきを目にして、私は目を見張る。
(幸村様と一緒にいるからかもしれない…)
幸村様の勇姿は、本当に凛々しくて眩しく、時折目を奪われてしまうほどだ。
幸村「剣之助殿、後ろ!」
「はっ!」
私は振り向きざまに刀を振るった。敵の兵がひとり、どうっと倒れる。
幸村「気を抜くな! 剣之助殿!」
「はいっ! 気をつけます」
私は剣を握り直す。
「全力でーーいえ、今までの私以上の力を出さないといけませんね」
幸村「いや、そんなことはない」
幸村様が首を振った。
「え?」
斬り合いの合間を縫って幸村様は私に近づき、小声で言った。
幸村「いいか、祐美。 お前は、そのままでいい」
「……」
私は少し戸惑い、幸村様はただ見つめた。
幸村「いつものお前でいさえすれば、どんなことでも切り抜けられるということだ」
幸村「お前の強さは、誰よりも俺が知っている。 忘れるな」
「幸村様…」
幸村様が、やさしく微笑んだ。
幸村「そして俺も、お前がともに戦ってくれるからーー何でもできる。自分を信じられる。 強くなれる」
「……」
敵兵「お命、ちょうだいするっ!」
突然叫ぶ声がして、こちらに向かってくる敵兵の姿があった。
幸村「何を言う! この命、貴様など渡すかっ!」
幸村様はまた果敢に、敵兵に立ち向かっていくーー。
胸が熱くなり、私は自分の腕に力がみなぎってくるのを感じる。
(幸村様の言葉が、その戦う姿が、私を勇気付けてくれる)
(私の心を強く揺さぶる熱を放つお方だーー)
そしてその時、ふと思った。
(私と幸村様の間には、特別なつながりがある気がする)
(何かが通じている…明るく強い、光にも似た何かが)
(それはきっとーー)
(…お互いを、強く思う気持ちだ)
(深く、あたたかく、やさしく、そして強くーー)
(私は幸村様を想い、幸村様は私を想ってくださる)
(二人の想いがつり合い、結ばれて、細い糸をより合わせたように、さらに強くなっていくーー)
思わず、ため息がもれた。
(…私は、何と幸せなのだろう)
(こんなに大切に誰かを想えるなんて…本当に、幸せだーー)
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幸村14日目~後編~に続きます→

