酒鬼薔薇 聖斗 と名乗った元少年A、東 慎一郎が本を出版しました。

彼の起こした事件や人となりについては、改めてここで書く必要も無いと思います。
文字に書き起こすのも苦しい気持ちになります。
彼は典型的な『 サイコパス 』と呼ばれる先天的な精神病です。
今回の出版された手記のあとがきにもサイコパス特有の性質がありありと書き連ねられてます。

彼のチャートの特徴として、傷つけられた月に目がいきます。
占術をする上でもハッキリと言うべき事ではないですが、あえて言います。
この月は救いようがありません。
親兄弟、友人、自分が愛する対象者、どんな医師でも薬でも救えない。
救いがあるとするなら、彼の中にある衝動を解き放てたときでしょう。
でも、この衝動は恐ろしすぎます。殺してでも抑えこまないといけません。

彼のチャートにある、火星と土星の合、そして冥王星。これらは月にヒットしてます。
これは残虐性と衝動性の二つの爆弾を一つの身体に宿してるということです。
そしてこの残虐と衝動の二つが、彼の場合、性衝動と直接リンクしています。
人間の三大欲求の一つでもある「 性 」に直結している。
欲求にダイレクトに繋がるからこそ、その衝動は抑えが効かない。
食べることに欲がある人は、常に食べること美味しいもの探します。
物欲や金欲が強い人は常に儲け話がないか探します。それと同じなのです。
問題は残虐性=サディズムが彼の性の快楽と繋がってる。サディズムがないと快楽が得れない
回路になってることが大きな問題なのだとも思います。

供述書にはこう書かれてます。

僕は人を殺したいという欲望から、殺すのに適当な人間を探すために、自転車に
乗って自宅を出ました。
一人で歩いてくるB君を見つけ、とっさに僕は「B君ならば、僕よりも小さいので殺せる」
と思いました。
 

~ 中略 ~

(夜中に)目が覚めた僕は、糸ノコギリ(註:金ノコのこと)があることを思い出し
人間の首を切ってみたいという動機に駆られました。その時に手に伝わってくる感覚や
切り口も見てみたいと思ったのです。


沸き起こる残虐な衝動を抑えられない。これは、残虐=火星と土星合、衝動=冥王星の力です。




1997年5月24日、男子児童を殺害した日のチャートです。




この日のT土星は彼のチャートの天頂にあり、N太陽・月、火星土星・冥王星を巻き込んで
グランドクロスになってます。



2015年6月11日、手記が出版された日です。




現在、T天王星が彼のチャートの天頂にあり、今回はT冥王星も加わって、またもや太陽・月
火星土星、冥王星を巻き込んでグランドクロスになってます。

18年も経った今、なぜ突然に手記など出すのか?天王星の影響なのでしょう。

今回、出版した手記のあとがきにも、彼はこう記してます。

~ 中略 ~


二人の命を奪っておきながら、「生きたい」などと口にすること自体、言語道断だと思います。
頭ではそれを理解していても、自分には生きる資格がないと自覚すればするほど
自分が死に値する人間であると実感すればするほど、どうしようもなく、もうどうしようもなく
自分でも嫌になるくらい、「生きたい」、「生きさせて欲しい」と願ってしまうのです。
みっともなく、厭ったらしく、「生」を渇望してしまうのです

~ 中略 ~

この十一年間、沈黙が僕の言葉であり、虚像が僕の実体でした。僕はひたすら声を押しころし
生きてきました。それはすべてが自業自得であり、それに対して「辛い」、「苦しい」と
口にすることは、僕には許されないと思います。
でもぼくはそれに耐えられなくなってしまいました。自分の言葉で、自分の想いを語りたい。
自分の生の軌跡を形にして遺したい。朝から晩まで、何をしている時でも、もうそれしか
考えられなくなりました。そうしないことには、精神が崩壊しそうでした。
自分の過去と対峙し、切り結び、それを書くことが、僕に残された唯一の自己救済であり
たったひとつの「生きる道」でした。
僕にはこの本を書く以外に、もう自分の生を掴み取る手段がありませんでした。
本を書けば、皆様をさらに傷つけ苦しめることになってしまう。
それをわかっていながら、どうしても、どうしても書かずにいられませんでした。



殺したい、切り刻みたい。だから、殺し、切り刻んだ。
生きるための自己救済のために書かずにいられない、だから本を書いた。

一生背負う罪を犯した14歳のときと同じで、何ら変わってない。
14歳の少年は、あの恐ろしい行為をすることで、通常では得難い性の快楽を得た。
これもある種の自己救済だったのでしょう。常人では理解できませんが・・。
そして今もなお、「 生きる道(性)」のため、自己救済として衝動を解き放ってる。
結局のところ彼の衝動( 冥王星 )は抑えられない。

この手記の出版にあたり、男子児童のご遺族はわざわざマスコミにまで出て猛抗議をしてます。
サイコパスには、人の痛みは分からない。自分以外の人間は彼の言う「 生きる 」対象ではないのです。
子供を殺され、マスコミに騒がれ、酒鬼薔薇の両親が出した本でも気持ちをほじくり返され
何度も何度も苦しい思いをご遺族はされてます。
相手の気持ちを考えることが普通にできる常人なら、自分の性にここまで固執しないでしょう。
そのことを大々的に本にまでして、自分が苦しめた人たちに知らしめないでしょう。



これは18年前、14歳だった少年が神戸新聞社に送った声明文の最後の文です。


ボクには一人の人間を二度殺す能力が備わっている


そう、君は何度でも人間を殺す。