
ある晴れた日の昼下がり、俺は目的地へと向かっていた。![]()
歌舞伎町を抜け、ホテル街を通り抜け
歩いていた。

それは、数日前のこと
お世話になっていた監督Hさんから連絡があった。
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とあるマンションの一室で『ハメ撮り』をして欲しいと言うのだ。
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聞けば、AV関係者ではなく素人が制作して
映像を買い取ってもらうのだと。
当時VHSの頃は、そう言ったホームビデオで撮った作品を専門で扱う闇業者が軒を並べていた。
公園で遊んでいる児童を撮ったり、トイレに小型カメラを仕掛けたり、ラブホテルの部屋に隠しカメラを設置して、盗撮したりする。
(※犯罪ですのでダメ、ゼッタイ)
要するに、コレクションを売りお金に換える素人制作が流行り出した頃でもある。
それによって、盗聴器やら盗撮カメラも様々な種類が開発され、世に出回ったのだ。
その一つに正統派
正統派と言うのも可笑しいが、ホームビデオで自分の彼女やセフレ、援交女子をハメ撮りしたテープが人気を博していた。
もちろんその中には、我々の様なプロが依頼され、あたかも素人のように隠しカメラで撮影することも稀にあった。
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雑誌の投稿物や、素人ハメ撮り物は出せば売れる時代と言っても過言ではなかった。
今回の依頼も、それに準じた物であろうと疑う由もなかったのだ、、、、。
そこは西新宿の外れにある世帯数が多いマンションであった。
エントランスを通らずに、裏口へ回り込む。
言われた通り裏口に行ってみると、鉄の扉が施錠されインターホンのモニターだけが光っていた。
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その上に大きな監視カメラが、常に警戒する様に動いている。
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インターホンのボタンに指がかかった瞬間
「ガチャッ!!!」
開錠された![]()
・・・「入って、、、501」
その声は、とてもぶっきらぼうに聞こえた。
恐る恐る部屋の前に来た。
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その部屋の前にも監視カメラがある。
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どれだけ警戒しているのやら、、、
・・・ガチャ
ドアが開き、派手なスウェット上下を着た短髪剃り込みの男性が顔を覗かせた。
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その頃の俺は、他の男優とは一線を画す風貌で売り込んでいた。
その為、何処へ出向くにもトレードマークであるヒゲにサングラスを着用した攻撃的なスタイルであった。



凄い勢いで睨んでくる!
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「アンタがTAKA?奥で若頭が待ってるよ!」
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若?![]()
頭?![]()
焼鳥じゃないよね?![]()
!!!!!!!!!
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ヤベェ所に来てしまった!!!
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聞いたことがあった。
西新宿の外れにヤ◯ザマンションがあると、、、。
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多くの構成員が軒並み事務所を構えている雑居ビルだ。
まさにそこが、噂の場所だったのだ。
広い玄関に飾られた日の丸
千代に八千代に、、と綴られ、、
家紋らしき物も飾られていた。
絵に描いた様な反社会勢力。
「極道の妻」とかで観たことがあるセット。
長い廊下を通り広いリビングで待ち受けていたものは、、、
ガランととした16畳ほどの部屋が片付き
、真ん中にキングサイズはあろうか金色の4脚パイプベッドが置いてあった。
その上に華奢な女性が一人ポツンと全裸で正座している。
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泣いているのか?うつむき加減の顔に、長いストレートロングの髪がかかって表情は見えない。
それよりも、、、、
そのベッドを囲うように派手なシャツやスウェットを着た、強面の男性が10人ちょっといるではないか!!

こちらを一斉に睨んでいる。
なにこれ?
Vシネマ??![]()
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何の罰ゲーム??
いや、
これ、ドッキリ??
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すると奥から
「いやぁ〜待ってましたよ!TAKAさん」
もしかして、、若頭?![]()
明らかに周りの連中とは一線を画すスーツ姿の男性が現れた。

胸に光るバッジ
間違いない!若頭!![]()
歳の頃40前後であろうか、一見物腰の柔らかい笑顔を浮かべるが、瞳の奥は決して笑っていない。
坊主に近い短髪に銀縁メガネ、ダーク系のダブルブレストスーツに黒めのシルクネクタイ。
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インテリヤ◯ザのよう
細めだが、長身な身体を揺らしながら近づいて来た
「いやぁ〜貸付が多くてね!ビデオでも撮って売らないと、利息にもならなくてねぇ〜」
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時折浮かべる笑顔が怖い![]()
「いい面構えだねTAKAさん!是非アンタにハメ撮りをお願いしたくてね」
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そう言うと、若い者にアゴで指示を促した。
「ハイ!」
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すると機敏に用意していたカメラを両手に抱えて、俺に渡してきたのだ。
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「好きなように撮っていいから!売れるように頼むよ!60分は欲しいかな。」
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さっきまで俯いていた女性がゆっくり顔を上げてこちらを見つめていた。
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泣き腫れたまぶた
化粧は落ちてスッピンに近い
ガリガリに痩せた身体
たぶん20代前半くらいだろうか?
幸薄い風貌である。
ホストの売掛?
そんな感じもしない
親の借金を肩替わりだったり
勝手な妄想が膨らむ。![]()
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「それでねぇTAKAさん!頼みなんだが、、、」
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「ハメ撮りをコイツらに見せてやってくれねぇか?
今後の為に勉強させてやってくれ」
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!!!!!![]()
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「おい!テメェら!邪魔すんじゃねぇぞ!プロの腕前をしっかり勉強しろよ!!」
ムリムリムリ無理ーーーー!!!!
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なにこのシチュエーション!
絵面!
緊迫感!
おまけに泣いてる女性!
勃起するわけないわ!!!
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\(^o^)/オワタw
役に立たず、小指飛ばされる!!![]()
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若頭の姿はない
周りを囲む若い衆
静寂の中、シクシクすすり泣く声
スタートした
やるしかない!!![]()
今までだって窮地を脱して来たじゃないか!!![]()
そう
俺はプロなんだ!![]()
どんな状況であっても、依頼を受けた限りは仕事なんだ!
ギャランティーが発生する限り、男優の仕事を全うしなければいけない!
女性の素性はわからないが、俺は割り切って仕事をするのだ。
試されているメンタル
鉄のメンタル、、、、、、
その後、どういった内容で進行したのか、、正直覚えていない、、、。
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気がつくと、彼女の腹部に飛び散ったザーメンから
ゆっくりと表情を映して
カット、、、。
一同
パチパチパチパチ〜

「すげぇ!やっぱプロだ!」
良かった、、小指は繋がった、、、。![]()
ことが終わると、それを聞きつけた若頭が奥から現れた。
「さすがだねTAKAさん!帰りは、若い衆に送らせますよ。」
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帰りの中央道
若い衆が運転するジャガーの後部座席に座って、流れゆく景色をぼーっと眺めていた、、、、、。
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おわり
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【次回予告!】
時はさかのぼり、TAKA小学生時代の話である。
何を隠そう俺にも初恋という甘く切ない体験をした時期がある。
クラスに新しく仲間に入った転校生の女の子だ。
恥ずかしがり屋のあの子。。。
中々声を聴かせてくれないあの子。。。
そんなあの子の声を聴きたくて聴きたくて。。。
行った行動が、、、
不覚にも、
淫靡で淫猥で、とても興奮を覚えることになる。
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TAKAに内に沸き起こる初めての経験とは!?
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次回
6/26 金曜日19時を
乞うご期待!!
