
ある晴れた昼下がり、俺は新宿某所にあるスタジオビルに向かっていた。![]()
そこのビルは5階建で、それぞれのフロア全てがスタジオ貸している建物だ。
1Fオフィス、2F教室、3F病室、4Fラブホテルとバラエティーにとんだ造りになっていた。
その日、俺が呼ばれていたフロアは地下一階である。![]()
鉄格子に囲まれた収容所
すなわち牢屋だ。![]()
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じつに、、
じつに気が重い、、![]()
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どんよりとした空気感、、、そして薄暗い雰囲気。

どれをとっても陰湿である。
過去に何度か撮影したことはあったが、
どれも設定は決まってレ◯プ物や凌辱物と過酷を要する内容の作品が多かった。
記憶を辿ってみても、いい思い出がみつからない。![]()
そうこう考えながらビルの入口へと到着した。
【BB組地下一階13時~17時】
予約スケジュールが案内看板に書き込まれている。
それぞれフロアによって、様々な制作会社が時間で予約するシステムとなっていた。
13時~17時は撮影にしては短い拘束時間ではないか。
実はその代わり濃密な内容なのであろうか?![]()
よかならぬ妄想が頭を過ぎっていた。![]()
BB組のBB監督には、過去に男優として何度か呼ばれた経験があった。
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業界では、過激な作品を撮る監督として一目置かれている存在だ。
デート物や、ハメ撮りなど一般的な内容はほとんど無く、
女優を拘束して責めたり男優数人で弄ぶなど
過激SM要素を含んだシリーズ作品が代表作であった。
そして、撮影時間がとても長いのだ![]()
終わりが深夜2時なんて当たり前
演者泣かせの現場としても、かなり有名だ。![]()
癖のある監督の中でも特に苦手なタイプなのだが、
何故かこの所、連続して仕事のオファーを受けることが多くなっていた。
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地下一階へのエレベーターがゆっくりと降りて行く
扉が開くと薄暗い灯の中、あの黒い牢獄が浮かびあがっていた。

それは、外のポカポカとした春の陽気とは真逆に、ヒンヤリとした空気感を醸し出していた。
「うぃ~す!TAKA今日はよろしくな!」
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金色の短髪頭にカザールのイカついサングラス。
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日サロで焼いた黒々とした肌、デカい図体。
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纏った黒いジャージの背中には、ゴールドの龍が描かれていた。
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その趣味その姿は、いかにもBB監督そのものだった。
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「この作品には、TAKAがいいかなぁ~とおもってさ!ハッハハハ~」
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そう言うと、俺の肩に腕を回して不気味に笑った。
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ジャラ!!
幾つも重ね付けしている腕のブレスレットが底知れぬ恐怖感を駆り立てる。
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いつも通り、今日も台本は用意されていない。![]()
殆ど思いつきにより内容が一転二転する現場で、
その場のシーンを試行錯誤することで撮影時間が延びるのだ。
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しかしながら
今日はやけに短い
それだけに
嫌な予感がするのだ![]()
恐る恐る内容を尋ねてみた。
「いやぁ~簡単よ!サクッと終わるから!ハッハハハ~」
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サングラスの奥で、薄っすら見え隠れする目が笑っていないのを見逃すわけがない。
嘲笑うかのように、目の前の黒い牢屋が静かに黙って鎮座していた。

ADが2人がかりで忙しく動き回っている。
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牢屋の中、下のコンクリート一面に貼られた青いビニールシートはいったい何なのだろうか?
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「準備終わりました~」
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ん?![]()
えっ?![]()
これだけ、、、、??
内容はこうだ。
ビニールシートの真ん中に衣類はもとより下着ひとつ纏わない女が黙ったまま正座している。
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鉄格子の鍵を開けて扉の中へ入り込んで行く男。
食事を運んで来たのだ。
「私を、ここから出して下さい、、、お願い、、、」
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哀願して脚にしがみついてくる女
胸元が乱れ、あらわになっている乳房を躊躇なく揉みほぐす男
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自らズボンのファスナーに手をかけてパンツごと下ろした。
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そう、毎夜この監禁している女を弄んでいる監視員なのだ。
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そしてそれを抵抗無く受け入れる女
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行為に移り、黙々と腰を振り続ける男。
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それは、終わりのない地獄、、、。
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う~ん、、、
この監督にしては割とノーマル?
(これをノーマルと感じること事態、判断基準が崩れ始めているのかも、、)
それにしても、このシチュエーションにはよくあるパターンなのだ
今日って![]()
もしかして![]()
ホントに早く終わる日かも![]()
ベッドでは無いにしても、ストーリーは実にシンプル!
ほっと胸を撫で下ろした
この内容なら、確かに時間はかからないはずだ。
そう思うと顔がニヤけてしまう![]()
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「さぁ、おっ始めようぜ~」![]()
そう言うと、BB監督はガウンを着た女優を連れてきた。
「おはようございます」
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歳の頃二十歳くらいであろうか、割と童顔で小柄な小動物タイプの可愛いお嬢さんだった。
こんな子が牢屋に、、、とても似つかわしく無い光景である。
AD2人、Vカメ、照明、音声がそれぞれ配置についた。
さぁ、いよいよ始まる
暗い牢獄の中、悲壮感漂う表情で裸で正座したまま座り込む女優
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俺は鉄格子の扉の前、立ち止まりゆっくりと鍵を開けた
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怯える演技が可愛い~![]()
ガタンっ!!!
閉まる扉
静まりかえった暗い廊下
「「パンパンッ!」」
響く、肉体をたたきつける音
「「パンパンッ!」」
漏れる吐息
「「パンパンッ!」」
押し殺した喘ぎ声が次第に高まる
下はコンクリにビニールシートを敷いただけだ。
腰を振る毎に膝に若干鈍い痛みを感じた。
モニターを見つめる監督![]()
AD2人を呼びつける![]()
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身振り手振りで指示をしているようだ
ニヤニヤしてこっちを見てる![]()
なに?![]()
何を企んでいる?![]()
何故か頭の上、大きく腕で円を作ってOKサイン。
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???![]()
発射OK??![]()
早過ぎない??![]()
と思った矢先に、何やら大きな青いポリバケツを運び込むAD2人。
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しかも3つも
こっちは中で繋がったままの2人
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それを見つめるだけ
監督が牢屋の扉を開けた、、、
「ぶち撒けろ」
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、、、、、、、、、、、、、、、、、、。
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ゴクリっ
腰の動きは止まったまま息を飲む
バケツの蓋が開き、ビニールシート目掛けて倒した!
一つ、二つ、三つ!!!
ドッバーーっ!!!
その中身がなだれ込んできた!!!!
、、、、、、、、、、、、、、、
、、、ッ!!!!!!!
こ、これは!
豚!!!
ブタ????
贓物!!!!
腸、肺、心臓、目玉、舌

一面が血の海に!!!!!
ウオェーッ!!!!
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もの凄い臭いが辺りに充満した!
「いやーーーー!!
ギャァーーーーー!!!」
叫び哭く女優
抱き合ったまま震えが止まらない2人!
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「TAKA!今だ!
口に腸をぶち込め!!
身体中に贓物を塗りたくって絡め!!」
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ちょっと何言ってるかわからないんですけどー
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(どんだけー)
おかしい![]()
アンタやっぱりおかしいよ
気持ち悪いなんてもんじゃない!
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「ぬるぬるの塗りたくった真っ赤な顔に白いザ〇メンを発射するんだぁーーー!」
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ん?![]()
ここは![]()
地獄ですか![]()
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俺は
いったい何をしているんだろう?![]()
こんなことをする為に男優になったのか?![]()
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そんなこと出来るヤツいるのか?![]()
いる訳、、、、ない
素人にはいない、、、、、
素人?
おれは?
俺はプロ
俺はプロだ!![]()
非日常的な世界を選んだんだ
求める者がいれば、それに応えること
それが役目でもある!
そうだ!!
今、この時こそ男優のスキルを試されるのだ!!
ウ〇コじゃないだけマシじゃないかー![]()
(基準がおかしいって)
やってやるよ!![]()
プロの意地を見せてやる!!
そして成長してやる!!
気を取り戻し、繋がったまま腰の動きを早めた
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ボーッと天を見上げたまま固まる女優
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突然の恐怖からか、全身が強張り俺のイチモツをギュッと締め上げてきた。
イクぞーーーー!!
真っ赤に染まった女優の顔に、温かな真っ白い液体がほとばしった。
それはまるで、イチゴにかけた練乳のようだった、、、、。
カァーット!!!
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放心状態の女優を残して、一人牢屋を出た
ボーッと突っ立ったままの俺も放心状態。
その姿は
あしたのジョー最終話
最終ラウンドまでジョーと戦い、判定で勝ちはしたが
髪は真っ白に変り
歯は抜け落ちた
ホセメンドーサのようであったであろう、、、

「TAKA!いいね!成長したじゃん!」
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肩を叩く監督
これぞまさにキワ物の撮影!
演者に内容全般を告げたら、誰もやらない
その為、何も聞かされずドキュメンタリーとして撮影されることが多い作品。
俺は、後にも先にもキワ物に特化した撮影はこの一回キリであったが
トラウマになるくらい衝撃的な体験だった。
それは
今でも
ブタを使った料理が好きになれない
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それくらいに、、、、、。
おわり
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次回予告!
時はさかのぼり、AV男優業界に飛び込む前の事である。
俺は親友と、とある会社を立ち上げる計画を立ていた。
そして、その裏ではビッグビジネスを目論んでいた。。。
結果、とある国とのつながりを持つ事になるのだが、
そこには、大きな落とし穴が待っていたのだった。。
一体俺たちどうなるの!!!![]()
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5/15 金曜日19時を
乞うご期待!!
