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| SBI証券投資調査部のグローバルストラテジスト、森永康平氏は2012年の中国株式市場の見通しについて、「欧州問題が解決に向けて大きく動かない限りにおいては、慎重に考えた方が良い」とする。そうした中においても、中国の個人所得の向上を映して、「保険業界、および、航空業界には妙味が高まっている」とした。 |
SBI証券投資調査部のグローバルストラテジスト、森永康平氏は2012年の中国株式市場の見通しについて、「欧州問題が解決に向けて大きく動かない限りにおいては、慎重に考えた方が良い」とする。そうした中においても、中国の個人所得の向上を映して、「保険業界、および、航空業界には妙味が高まっている」とした。
——2012年の投資環境についての考え方は?
2012年の投資環境を考える場合、第一に欧州問題の行方に注目せざるを得ない。基本的には、「解決策が出てくるまでは買えない」というスタンスで良いと考えているが、何をもって解決策とするのかという判断が難しいところだ。場合によっては、2012年の年間を通じて欧州問題を気にし続けるような展開になることもあると思っている。
欧州問題は、リーマン・ショックよりも大きな、歴史的な局面であるとみている。ユーロ実現の背景には、大国ロシアと隣接している欧州の各国が対抗勢力としてひとつの大きな経済圏としてまとまるために、結果として統一通貨「ユーロ」を結実したという歴史的背景がある。一部には「ユーロ崩壊」というような論調もあるが、実際には簡単にはユーロをやめることができないということは歴史を振り返れば分かるだろう。
反面で、ユーロ問題に解決策が見出せたならば、2011年夏を境に大きく下落し、売られ過ぎの水準にある世界の株式市場は、一斉に上昇に転じるだろう。2011年後半の株価下落によって、世界の株式市場の下落余地は小さくなっている。ここからは、時間分散を図りながら株式を購入しても良い水準にある。ただ、万が一にもユーロ圏で連鎖的なデフォルトや金融機関の大型破たんなどが起こった場合は、一段の下落があり得るので、欧州から目が離せない。
——中国については?
中国の物価は、今後一段と低下する方向にあるだろう。ただし、中国政府が目標としているCPI上昇率で4%以下という水準になるためには2012年3月頃までかかりそう。11月30日に中国が預金準備率を引き下げたので、利下げ期待も高まってきているが、少なくともCPIが4%以下に低下しなければ、中国で利下げはないと考えている。
世界的には欧州問題への危機対応として金融緩和の流れが出てきているが、中国は引き続き自国の経済を優先した金融政策を堅持すると思う。
ただし、中国の輸出企業の業績は急速に悪化している。中国は米国や欧州への輸出依存が高いが、欧州よりも米国向けが先に落ち込んで、年末になって欧州向けも悪くなってきた。加えて、アジア向けの輸出も減速している。このように苦境に立たされている輸出企業の苦境を支えるために、インフレ率が落ち着いてくれば、利下げによる景気刺激策に転じる可能性は高いとみて良いだろう。
——中国株投資を考える上での注目テーマや注目業種は?
保険業界には注目できる。中国では、現在進行中の5カ年計画において、経済成長のスピードよりも質的な向上を重視する政策に転じた。中国政府は、経済規模では「先進国に追いついた」という意識があると思うが、先進国と比較して行き届いていない社会保障、所得格差、環境保全などの分野で、先進国にキャッチアップしようとしている。社会保障の充実という点、かつ、個人所得が伸びているという現状を評価すれば、保険業界の成長余地は大きい。株価が大きく下落した後だけに、妙味は増していると考える。
また、同じような個人所得の向上に関係するセクターとして航空業界にも注目できる。現在、アジア各国に中国人旅行者が大挙して訪れているが、これから一段と所得が伸びていくと、一段と中国における旅行熱は高まるものと考えられる。アジア各国に置いても日本が入国についての制限を緩和したように、規制緩和の動きが始まっており、旅行・航空業界にとっては追い風になっている。突発的に原油価格が高騰するなどのマイナス材料がでない限り、航空産業の成長は続くだろう。(編集担当:徳永浩)
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