EX編の純夏end、冥夜endをやったのち、unlimited編に入りました。
結論から言うと、面白い!
並行世界に迷い込んだ白銀武が、全く価値観の異なる世界で体験する諸々の出来事は、見ている側としては実に面白いです。
村上龍の五分後の世界を読んだ時のワクワクを思い出します。
並行世界の日本、日本帝国は第二次大戦で原子爆弾も落とされていないし、無条件降伏もしていない、という事実と、
GHQが入り込まなかったために『太平洋戦争』という呼称が広まる機会がなく、今だ『大東亜戦争』が正式名称となっているのが印象的です。
武家が強い権力を持っていること、そしておそらく維新後に『天皇』という対外的呼称を『皇帝』へと変えたことから、確かに日本は日本だが、
我々の知る日本ではないと理解できます。(それを言ったら髪色がカラフルな日本人などいないが、それを指摘するのも野暮というもの)
unlimited編から没入感が全く違うという意見がありましたが、これは本当で、
息つく間もなくグイグイと世界に引き込まれていきました。
1998年に始まったBETAの日本侵攻により、たった1週間で3600万人が死亡した挙句、日本帝国は九州、四国、中国地方を失陥。BETAの支配域では草木1本すら残らないらしいため、この地域にある自然や歴史的遺産は全て破壊されつくしたのでしょう。
また、日本帝国の元々の首都である京都もBETAに蹂躙されたので、清水寺などもこの世界には残っていないのでしょうから、なんとも惜しい話です。BETAに制圧されたユーラシア大陸においてはさらに深刻で、フランスやドイツ、ロシアやトルコ、中国などなど全て破壊されて、もう旅行で楽しむことは二度とできなさそうです。
ちなみに、アニメ、トータル・イクリプスの『帝都燃ゆ』で京都防衛戦が描かれましたが、破壊される京都、次々と戦死していく衛士と絶望的な要素が満載でした。歴史的遺産、そして1000年の古都が燃えてゆくのは悲壮感たっぷりです。
光線属種が出現するまでは、中国も優勢だったことから、それさえいなければ人類がここまで押されることはなかったのでしょう。
航空攻撃にミサイルや砲弾を叩き込めば、飛翔手段もなく、対空攻撃すらなかったはずのBETA相手に劣勢に立たされなかったと思われます。