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 ☆夢中になれた人☆


今から20年近く前、ある人に魅了され、夢中になって追い掛けた。


たまたまつけたテレビで、その人は光り輝いていた。


居ても立ってもいられなくなり、次の日、友達を無理やり引き連れ、試合を観に行ったけれど、その日は控えで、その人は一度もコートに立たなかった。悔しかったなぁ~


でも、どうしてもその人のプレーが直接観たくて、所属しているチームのファンクラブに入って、試合のチケットを手に入れ、大雪で遅延続きの新幹線に揺られ、わくわくドキドキしながら試合会場に向かった。


初めての観戦で、しかもチーム応援席で、どうしたらいいのかも全くわからなかったけれど、やっぱりその人は光り輝いていて、ただひたすらその人を目で追い掛けた。


それからは、その人がそのチームを去るまで、全国各地を毎週飛び回り、逢いに行った。


チームを離れ、単身トルコに渡ったときも、毎週のように手紙を送り、現地に応援に行こうと手配を調えた途端、急に帰国することに。

あのときは焦ったなぁ~

でも、偶然にも旅行会社の方が以前バレーボール協会にいた方で、事情を話すとキャンセル料なしでキャンセルしてくださった。


それからは、紆余曲折ありつつも、年に数回逢える機会に恵まれ、いまだにいそいそと逢いに行く私。


その人に対する気持ちも20年の間に変化してはいるけれど、これも一つの愛の形なんだろうなぁと今更ながら思う。


長く追い掛けていると、認知もされ、話をしてもらえることもあるけれど、ただそれだけ。

見返りはなし。

…だからこそこんなに長く愛せているのかなとも思う。


コロナの影響で、もう3年近く逢えていないし、この先いつ逢えるかわからないけれど、いつまでも変わらず心の住人でいてほしい。




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