実は鉄道と自動車は決して切り離して考えることは出来ない、ということを伝えたかったからです。

残念な話ですが、先月中国の高速鉄道で悲惨な事故が起きてしまいました。ではなぜここで自動車が出て来るかというと、中国は鉄道の技術やノウハウがまだまだ未熟だからです。そして鉄道が未熟であれば、自動車の技術やノウハウもまだまだ未熟だと結論してもよいでしょう。実際、中国メーカーの自動車は日本を含めた外国メーカーの真似はするものの、信頼性は外国メーカーにまだまだ遠く及ばないからです。先の事故の話に戻りますが、私は中国の高速鉄道の事故は起こるべくして起きたと思います。なぜなら、とにかく開業させてスピードを上げればよい、と考えている節があるからです。しかし日本の新幹線の場合、だてにスピードを上げているわけではありません。新幹線開業やスピードアップの背後には、このままだと航空業界に食われてしまう、という危機感があります。そして持っている技術、例えば航空技術なども悉く注ぎ込んで開業させ、そしてスピードアップを行ないました。その結果、開業47年を迎える今日に至るまで乗客の死亡事故はゼロという記録を残しています。
そして日本は鉄道の技術も高ければ自動車の技術も高いことは皆さんもご承知かと思います。

加えて、日本の政策もマスコミも自動車ばかり持ち上げて鉄道を含めた公共交通に対し冷淡だからです。私は本来自動車と鉄道は相互に補完するものだと思います。しかし冷淡なことに自動車ばかりが持ち上げられて(とりわけ6月に終わってしまった“高速千円”開始時のマスコミのはしゃぎぶりは異常だった)鉄道をはじめとする公共交通はあたかも存在しないかのように無視されることが見られました。その面を鑑みると、自動車ばかり持ち上げて鉄道を無視するのは愚かなことである、と私は思います。