朝鮮語の場合、日本語の漢字・カナ以上にハングル廃止となる公算があったでしょう。
なぜなら、ハングルは文字というより発音記号に近く、容易に置き換えられるからです。例えば、「大韓民国」を日本語で読むと「だいかんみんこく」となり、かなをローマ字に直すと「Da-i-ka-n-mi-n-ko-ku」(13文字:ハイフン除く)となりますが、朝鮮語で読むと「デハンミングク」(韓国では「テハンミングク」)となり、ハングルをローマ字に直すと「Dae-han-min-guk」(12文字:同上)となります。とりわけ朝鮮語の場合、漢字一字に対しハングル一字なので、日本語をローマ字化するより全体的には短くなります。もっとも朝鮮語は漢字一字に対しハングル一字、ついでに漢字一字につき読み方は一つだけなので、北朝鮮は完全に漢字廃止、韓国も漢字は滅多に使われなくなりましたが。実際ベトナムもローマ字に補助記号を付けたクォック・グー(国語)を導入したので漢字が廃止されてしまいました。
話が逸れてしまいましたが、もし朝鮮語からハングルを廃してしまったら、時期にもよりますがローマ字表記の「韓国語」とキリル文字表記の「朝鮮語」に分かれてしまったでしょう。なぜなら、韓国はアメリカの、北朝鮮はソ連の影響下で建国されたからです。今でこそ「韓国語」は朝鮮語の俗称でしかありませんが、文字通り南北で言語が分かたれてしまっていたでしょう。
ちなみに表記する文字の違いで言語が分かたれてしまっていた例には、ルーマニア語とモルドバ語があります。もっとも今ではモルドバ語もキリル文字からルーマニア語と同じローマ字に戻っています。