伊藤沙莉主演の連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合、午前8時放送)に出演する岩田剛典は、恐ろしく無駄のない演技で、俳優としてひとつの最高地点に到達したと考えるべきだろう。







「ほんとうに心強かった」フェス参加




初の朝ドラ出演で話題の「マトリックス落ち」場面

ラジオ番組『岩田剛典 サステナ*デイズ』で紹介する作品



――そうでしたか(笑)。『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年)でスコセッシとタッグを組んで以来、ディカプリオは常に過去の人物を演じています。

それが古典的な佇まいと人物の時代設定の上で花岡役の岩田さんに通じているのかなと。すみません、考え過ぎですね。



 岩田:いえいえ。僕が演じた役、

そしてその作品をご覧になった方それぞれに解釈いただけるのはありがたいことです。

そうやって考察しながら見ると作品がより楽しくなりますよね。

俳優としての僕が役作りで特定の映画の演技を参考にすることはあまりありませんが、

でも潜在的というか、無意識的に影響を受けていることはあると思います。

 これは演技についてではありませんが、例えば、1stアルバム『The Chocolate Box』のコンセプトを考えていたとき、何かしゃれたことをやりたいなと思っていたら、

『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994年)の有名な台詞が頭に浮かんだり。


 ――岩田さんが好きな作品を知ることができるのは、ファンにはたまらないと思います。 


 岩田:ありがとうございます。『岩田剛典 サステナ*デイズ』では、出来る限り、僕が個人的にいいと思った作品を素直にオススメしていきたいです。



岩田剛典が「挑戦し続けること」




――三足の草鞋を履いて、忙しい日々を疾走している今、岩田剛典はどこに向かっていると思いますか? 


 岩田:うーん、一言で表現するのは、

難しいです。でもそれは、

挑戦し続けることではあると思います。

今年11月には、三代目 J SOUL BROTHERSのドームツアーが開幕します。

『Takanori Iwata LIVE TOUR 2024“ARTLESS”』が開幕したすぐ後、春の早い段階で発表されています。

 俳優業やラジオ収録を並行しながら、

ソロではアリーナツアーを回る。

今の自分にできることを全力でやりながら、

その先のことに挑戦し続ける岩田剛典をどうか見ていてください!




取材後記:ちょっとした冒険だった通路の先に


全国ツアーをともに回るMATEたちは、遠征中、おそらくこの曲を何度も繰り返し聴いて、

その都度、確かに「届く」ものを実感するのではないか。その一方、

(岩田さんが)「進めばどんどん 増えていく」MATEへの感謝の気持ちが、

エターナルに「旅路の途中」にあることも意味している。 

  岩田剛典という劇的な求心力は、

一種の“なぞなぞ”だと思う。

新作を見たり、聞いたりすれば、

毎回お題を渡されて、いろいろ想像(妄想)しながら考察してみる。

このなぞなぞを解き明かし、次なるお題に「挑戦し続ける」ために、ぼくらは率先してそのラビリンスに分け入る。 

文頭で書いた暗闇は、そのラビリンスへの入口に過ぎない。地図はない。

ただし、MATE愛を滲ませる同曲のサビにある通り、

「どんなときでも そばにいる」岩田剛典が灯火になる。だから「旅路」は続く。

あの暗闇の通路の先、そのずっとずっとずっと先のほうまで。 


 <取材・文/加賀谷健 撮影/鈴木大喜> 

 【加賀谷健】音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、

大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。

ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。

日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu