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📺️1976年(昭和51年)5月29日
🎙️ナレーション市原悦子さん
あらすじ
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昔、ある村に彦市というとんちの働く男が住んでいました。
彦市どんの裏山には、
悪さをする狸が住んでいて、
是非とも一度は彦市どんを騙してやらねばと考えていました。
ある寒い夜の事、狸が旅人に化けて彦市どんの家へやってきました。
彦市どんは狸と分かっていましたが、
素知らぬ顔で家へ招き入れ、
甘酒などを振る舞ってあげました。
狸が「彦市どんには怖い物などあるまいな?」と尋ねるので、
饅頭が怖いと教えておきました。
翌日、家の前には山ほど積まれた饅頭が置いてあり、
お母さんと二人で怖がるフリしてパクパク食べました。
騙されたと知った狸はカンカンに怒って、
村中の石ころを集めて彦市どんの畑にまきました。
彦市どんは少しも騒がず、
わざと大きい声で「石肥三年(いしごえさんねん)と言って良い事だ、
もしこれが馬の糞だったらエライ大変だ」と言いました。
それを聞いた狸は、
その晩のうちに苦労して馬の糞を集めて、
まだ彦市どんの畑にまいておきました。
その年は、狸のまいた馬の糞のおかげで、
彦市どんの畑の作物は見事に実りました。
狸はどうしても彦市どんには敵わないので悔しがりましたが、
彦市どんがお礼に持ってきてくれたトウモロコシをニコニコ笑顔で食べました。