スターまんが日本昔ばなし
🥚鴻の卵


📺️1981年(昭和56年)5月23日
🎙️ナレーション 市原悦子さん





あらすじ

ある夏の日差しがジリジリと照りつける日、

善良な男が旅をしていました。

村はずれの広い野原で、

カエルを狙っている蛇に気が付きました。

憑りつかれたように凝視する男の目の前で、

蛇はカエルに食らいつき頭から飲みはじめました。

男は思わず、

竹棒でやたらめったら蛇を打ち据えました。

打たれた蛇はぐったりしてカエルを吐き出しましたが、

それでも男は竹棒で繰り返し打ち続けました。

その夜、

旅から帰った男はひどい寒気に襲われ寝込んでしまい、

ガタガタと何かに怯える日々を過ごしました。

そんなある日の事、

男の家に目の不自由な巡礼の娘が立ち寄り「病で困っているご主人を看病してあげましょう」と言い、

泊まり込んで男の世話をする事になりました。

かいがいしく世話してくれる娘に、

女房はいい人が来てくれたと喜びましたが、

男の病は悪くなる一方でした。

そこへ、一人の山伏が男の家に立ち寄り「コウノトリの卵を飲ませると治る」と言いました。

この卵は「二十歳前の未婚の娘が取って来ないと効き目が出ない」という事で、

巡礼の娘が採りに行くことになりました。

コウノトリの巣のある大木を登っていった娘が鴻の巣へ入ると、

コウノトリの鳴き声が聞こえ、

それっきり娘は降りてきませんでした。

実はこの娘は、あの時打ちのめした蛇の化身で、巣に入ったところでコウノトリに食われてしまったのでした。

そして山伏は、あの時助けたカエルの化身で、

蛇が男を呪い殺そうとしていることを知って助けに来たのでした。

その後、男の病はすっかり治りました。