田島貴男による音楽ユニット・Original Love(オリジナル・ラブ)が、5月から7月にかけてバンドツアー『Game Changer Tour』を開催。関西では6月22日に「Zepp Namba」(大阪市浪速区)にてライブをおこなう。
 



 
1991年にアルバム『LOVE! LOVE! &LOVE!』でメジャーデビュー。
当初は5人組のバンドだったが、
1995年以降はボーカル・田島貴男のソロユニットとして現在まで活動を続けてきた。
 
90年代に青春を過ごした人なら、
フリッパーズ・ギターやピチカート・ファイヴと並ぶ「渋谷系の象徴」として認知している人も多いだろう。
 
ブラックミュージックをベースにあらゆるジャンルを網羅したグルーヴィーなサウンドと、
阿久悠に代表される歌謡曲を彷彿させる大人の色気漂う「日本語の歌」が融合した
オリジナル・ラブの楽曲は、新鮮でありながら日本人の情感に訴える普遍性を宿しており、
テレビCMとしてオンエアされるなど、多くの人々の心をとらえた。




この30年間、音楽シーンの流行り廃りとは距離を置きながら、常に新たなチャレンジを積み重ねてきたオリジナル・ラブだが、
近年は1993年リリースの『接吻 kiss』が多くのミュージシャンにカバーされ話題に。
 
さらに2022年頃からはTikTokで
田島貴男もオリジナル・ラブも知らない若者らが『接吻 kiss』を歌い踊る動画が大バズりするなど、まさかの再ブームが巻き起こった。
 
そんな現象に驚きつつも、
時代やジャンルを超越したオリジナル・ラブの楽曲の強度に改めて唸らされた人も多いだろう。
個人的には、
田島貴男という人が持つ日本人離れしたスケール感やファンキーで艶やかなボーカル、
即興性に富んだフィジカルなパフォーマーとしての資質は、
日本ではほかに藤井風ぐらいしか思い浮かぶ人がいない。
だからこそ今、オリジナル・ラブがZ世代の若者たちにハマったのではないだろうか。
 
ライブといえば、ギター1本による弾き語りや多重録音演奏などアイデアを駆使した「ひとりソウルツアー」も好評な彼だが、今回のツアーはバンド編成。気心の知れた仲間の演奏をバックに、ファンキーに歌い踊る稀代のボーカリスト/パフォーマー田島貴男の世界にどっぷりと酔いしれたい。
 
日時は6月22日・夕方6時から、「Zepp Namba」にて。チケットは指定席7700円。
 
文/井口啓子