4月14日放送「アンチヒーロー」(日テレ・午後9時~)には、岩田剛典さんが出演する。「AERA」2024年3月3日配信の記事を再掲する(本文中の年齢等は配信当時のものです)。






EXILE/三代目 J SOUL BROTHERSのパフォーマーでありながら2021年にソロデビューを果たした岩田剛典さん。アリーナツアーを見据えて制作した楽曲について語った。AERA 2024年3月4日号より。
 
*  *  *
 
――ソロとして約1年半ぶりにリリースする2ndアルバム「ARTLESS」は、ツアーを想定して制作された。
 
岩田剛典(以下、岩田):1stアルバムの「The Chocolate Box」も今作も興行に紐づいたリリースです。前回はホールツアーをやって、今回はアリーナツアー。前作は僕の好きなチルポップのナンバーを中心に作りましたが、ツアーの会場が大きくなることで、もっと盛り上げることができるアップテンポのナンバーを増やしました。一番重視したのは「ダンスパフォーマンスが映えるかどうか」。その上で、僕がやりたい演出に合う曲を作っていった結果、ツーステップやハウスの楽曲が増えました。ポップスを意識せずとも、僕が歌うと結局ポップスにはなりますね。
 
――タイトルの“ARTLESS”には「ありのまま」という思いが込められている。全10曲中、9曲の作詞に自身も加わった。
 
岩田:自分が詞を書いたほうが言いたいことが伝わるので、作詞家さんと一緒に曲のテーマや使いたいワードを踏まえ、「このワードをどこに配置すれば音楽的に気持ちいいか」ということを相談しながら作っていきました。主人公像を決めた後、物語の舞台や世界観を決めるという、架空のゲームやショートフィルムを構築していくような感覚で作った歌詞もあれば、日々感じていることをストレートに綴った歌詞もあります。また、歌詞の随所に「ARTLESS」というアルバムタイトルに通じる思いが表れています。
 



不完全だから美しい
 
――1曲目はリード曲の「Paradise」。車のドライブを想起させる歌詞でありながら、「人生は有限であり、ゴールは決めない」という岩田の信念が色濃く出ている。
 
岩田:今作の終着点であるツアーをパラダイスと想定して、ゴールに向かうまでのドライブをライブに来ていただいた皆さんと一緒に楽しむイメージで歌詞を書いていき、そこに自分の信念を加えました。明るく陽気なムードのあるこの曲からアルバムを始めたかったんです。



最終曲の「Night Parade」はライブ会場がパレードのように盛り上がっている画を想像して作りました。曲順はライブの流れをイメージしています。
 
 アップテンポな「Just You and Me」の歌詞には「格好悪くたっていい 不完全だから美しい」という歌詞がありますが、僕の人生観をそのまま書きました。ファンの皆さんに伝えたいことと自分にも言い聞かせたいことは共通していることが多い。挑戦することを恐れるよりも、挑戦する人生を選んでほしい。自分自身に対しても「そうあり続けるように」という思いを込めて書きました。
 




音楽は作品。自分の音楽を届ける喜びは俳優として携わった作品を世に届ける喜びに通じます。僕が死んだ後も作品は残ります。ソロを始めたことで、時間の許す限り作品を作り続けていきたいという思いが増しました。この先もいろいろな壁にぶつかると思いますが、その時々の自分の瞬間そのものを歌詞や音に乗せて届けていきたいです。
 
アリーナのステージへ
 
――ソロ活動をスタートさせてから約2年半。モチベーションは増しているという。
 
岩田:日頃から僕のことを見てくださっている方たちには、その都度新しい一面をお見せできていると思っています。僕の音楽を聴くことで、気分転換になったり、何かのエネルギーに繋がったりしていたら嬉しいですし、それがまた僕のモチベーションに繋がっています。グループでは何度もアリーナのステージに立っていますが、僕だけを見に来てくれる方々のペンライトの数を見たら感動してしまうと思います。
 
 ですが、まだまだ僕は三代目(J SOUL BROTHERS)のイメージと俳優のイメージが強い。もちろんソロは始めてからまだ2年半ほどなので、キャリアの長さの差はあります。今回のアルバムとアリーナツアーを機に、ひとりのアーティストとしての一面を知っていただける機会を増やしたい。
 
(構成/ライター・小松香里)
 


※AERA 2024年3月4日号より抜粋