40歳という一つの節目に、自身初となる1st写真集『Onestà(オネスタ)』(幻冬舎)を出版したEXILE/三代目 J SOUL BROTHERSのEXILE NAOTOにモデルプレスがインタビュー。後編では、彼のパーソナルに迫るほか、過去と未来の自分に伝えたいメッセージ、グループへの想いを語ってもらった。
◆NAOTO『Onestà(オネスタ)』 本作は、
本人たっての希望でイタリア・シチリア島にて撮影。普段は見せない素顔の魅力に加え、
ストイックな彼が極限まで鍛え上げた圧巻の肉体美を惜しげもなく披露している。
エッセイページでは、ひたすら駆け抜けてきた人生を幼少期から順に振り返りながら、
パフォーマーとして、三代目 J SOUL BROTHERSのリーダーとしてのメンバーへの想い、そしてファンへの感謝をつづっている。
◆NAOTOが“影響を受けた人”
― 「ジョジョの奇妙な冒険」「らんま1/2」をはじめ、マンガに大きな影響を受けたということですが、ご自身の価値観や生き方において影響を受けた存在はありますか?
NAOTO:やっぱり親じゃないですかね。
初めて出会う大人なので、人格形成は親によってできていると思いますし、
家がクリスチャンだったのでそういうところも自分の人格に影響を与えている気がします。
でも、大人になって、自分というよりかは、
自分の父親が普通の人とは全然違って、すごく変わっている人間なんだなと気づきました(笑)。
◆NAOTOが悲しみを乗り越えた方法
― 過去から現在まで赤裸々に語られていますが、本音を打ち明けることや周りの見え方などを考えて抵抗はありませんでしたか?
NAOTO:今までで一番さらけ出していると思います。
周りの目は今でももちろん気になりますよ。
やっぱり人の目に触れて評価されるところに立っているので、本当の自分じゃない部分が評価されたり、
自分の不本意な形で伝わってしまったことが人の目に晒されてしまうと萎縮してしまったり悲しい思いをしたりすることはあります。
まあ、そこも含めて自分だと思うんですけどね。ただ、僕自身がそれを選んでやっているので、
傷ついたり痛い目に遭ったりすることも沢山経験していますが、初めてのことにチャレンジしたら、
そういうものはつきものかなと思います。
あとは少しずつ慣れてきてしまっている部分もあります。
― 気持ちが沈んでしまったとき、どのようにポジティブに変えて乗り越えていますか?
NAOTO:大抵のことは時間が解決してくれると思っているので、すぐ解決しようとせず、
その時期が流れることをじっと待ちます。
― どなたかに相談されることはありませんか?
NAOTO:あまりしないですが、食べることが好きで友達とよくご飯に行くので、自分の好きなことをやったり友達と一緒にいたりすると、嫌なことも風化されていくと考えています。
すぐに嫌な気持ちを解決することは難しいと思うので、無理に向き合って闘おうとせず自然と解決していくことを待ちます。
◆NAOTOにとっての“三代目JSB”という存在
― エッセイには、三代目J SOUL BROTHERSに存続の危機もあったというお話がありましたが、長年にわたって共にしてきたからこそ、溜めていた腹の内を改めてさらけ出すことはとても勇気があることだと思います。当時本音をぶつけるきっかけになった食事会はどのようきっかけがあったのでしょうか?
NAOTO:多分、各々いろいろなことを思っている中でのことで、
皆が話し合うべきタイミングだと分かっていましたし、
全員がそうしたいと思っていたと考えています。
定期的にご飯に行くことは昔から変わっていないので、
この食事会も決して特別なことではなくいつもの延長のような感じです。
ただ、普段だったらグループの話をしても大体くだらない話で盛り上がってしまうので、
この食事会では自分が思っていることをさらけ出して芯の食った話をすることができました。
でも僕はそれが毎回じゃなくても何年かに1回程度でいいと思っていて、
正面からぶつかり合った話をしなくてはいけないというのも、
全員がほぼ同じタイミングで察知して自然とそういう流れになっている気がします。
― 当時はそれぞれに葛藤があったと思いますが、その中で特にボーカル2人を気に掛ける姿が、「自分より人」「調整役として立ち回る」という
NAOTOさんの性格と重なる気がしました。改めて振り返ってみて、当時は1人でどんなことを考えていましたか?
NAOTO: “自分より人”というほど崇高な思いは全くないです。
でもグループのことはやっぱり一番で、どうやったらグループが継続していけるか、
どうやったらグループが健康的な状態で動いていられるのか…。
メンバー一人ひとりの状態だけではなく、
グループとしても7人が集まって生き物のように弱ったり不健康な状態があったりすると思うのでグループという1つの固体の状態も考えていました。
“自分より人”と思える人にまでなれたら素晴らしいですが、時と場合によっては難しいこともあると思います。
ただ「自分よりグループ」という想いは常にあります。
というのも、結局それが自分に返ってくるものだと感じていて、
だからこそ全員がそういう想いで動いていけるんじゃないかな。
個人のやりとりというよりかは、
この三代目JSBというグループがあるから今の自分がいると皆分かっているので、
僕としても「グループより大事なことってあるっけ?」くらいの感覚です。
― その想いこそが「グループを『終える』ことは考えられない」という考えに繋がるのでしょうか?
NAOTO:“グループの終わりがない=自分のパフォーマーとしての終わりではない”です。
もちろん40歳になってどこまで踊れるのか考えることはありますが、
終わりを意識しながら活動しているのではなく、このグループでどこまでやれるかということだけしか考えていないです。
◆NAOTO、過去と未来の“自分”に伝えたいこと ― “手紙のような本にしたかった”という同作にちなみ、NAOTOさんが、過去の自分と未来の自分に手紙を書くとしたらどんなことを伝えたいですか?
NAOTO:えーなんだろうな…(考えながら)過去の自分には「頑張れ!」としか言いようがないです(笑)。
― 特にどの年代の自分に「頑張れ」とエールを送りたいですか?
NAOTO:17~19歳頃の自分に。
高校を卒業してバイトしながらダンスをしていて、
ダンスも仕事にならないし毎日バイトで練習する時間もない…という、
自分の中では悶々としていた時期で、
早くこの生活から抜け出したいと思っていました。
西武新宿線の始発で帰ってサラリーマンの方たちと真逆に進む自分を見て、
何回も所沢の駅を乗り過ごして西武新宿、
それから本川越に行っちゃって、
本川越からまた所沢に戻ろうとしたらまた西武新宿に戻っちゃって永遠に西武新宿線から抜け出せない自分に「頑張れ!まじ頑張れ!」と言いたいです。
あと「もっと起きられるアラームの方法を考えろ!」とも(笑)。
ビリビリと電流が流れるものや、所沢に到着するくらいに「ピー」と鳴るようなアラームを考えておきたいですし「お前もうちょっと考えてやれよ!考えてから寝ろよ!」と伝える手紙を書きたいです(笑)。
そしたら「そんな時間を無駄にせずに済んだぞ?家に早く帰ってシャワー浴びて、バイトまでゆっくり寝れたぞ?
そのままバイト行ってる場合じゃねえぞ!」と言ってやりたいです。
― 未来の自分へはいかがですか?
NAOTO:未来へは「健康第一に!」ですね。
健康こそがお金で買えない何よりの価値だと思います。
別に何か患っているわけでもないのですが(笑)、
2年前ぐらいに肉離れを起こしてしまい、
そのときに健康って最高だなと改めて強く実感しました。
自分の体を整えて、ちゃんと優しくしてあげないといけないなと思います。
◆NAOTOの“夢を叶える秘訣” ― NAOTOさんが考える“夢を叶える秘訣”を教えてください。
2016年のインタビューでは「思い続けることと行動し続けること」とお話していましたが、それから変化したことや新たに加わった考えはありますか?
NAOTO:そんなこと言っていましたか(笑)?
恥ずかしいですね。恥ずかしいけど、あまりそれと変わってないかもしれないです。
よく言ったもんですよ(笑)。
でもこの2つに尽きますよね。
― この考えから実際に叶った夢やご自身の人生において良かったことはありますか?
NAOTO:やっぱりEXILEと三代目JSBになっていることかな。
でももっともっと自分が思っていた以上にすごいことになったというか、
すごい人生が待っていました。
思い続けて行動し続けてきたつもりですが、
思いもよらないことに対面しています。
― 4月よりソロツアー「NAOTO PRESENTS HONEST HOUSE 2024」も始まりますが、見どころを教えて下さい。
NAOTO:3月20日に配信されたアルバム「HBZ」を本当にしつこく聴いてきてくださることが楽しんでいただける秘訣になります。
自分のパフォーマーとしてのプライドと今までやってきたこと全てを出し切ってパフォーマンスするので、
今まで皆さんが観たことのないようなライブにしたいと思っていて、
それが出来上がっているなという手応えはあります。
― 貴重なお話をありがとうございました。
◆こぼれ話 いつもと変わらぬ明るい笑顔で姿を現し、
スタジオに一気に爽やかな空気をもたらしたNAOTO。
インタビューでお気に入りの写真を尋ねた際には、
他媒体も含めこれまで何度も同じ質問を聞かれながらも、
別の回答になるよう、
1ページずつ書籍を捲って思い出を振り返ってくれた。
温かな人柄の中にある少年心と持ち前のユーモアさを交えた語りに、
記者もその場にいたスタッフも終始引き込まれつつ、時には笑いで盛り上げてくれ、
彼の底知れぬエネルギーを感じる瞬間だった。(modelpress編集部)