EXILE/三代目 J SOUL BROTHERSの岩田剛典(いわた・たかのり/35)にモデルプレスがインタビュー。前編では、2ndアルバム「ARTLESS」(3月6日リリース)から彼の内面に迫った。そこには、柔らかな雰囲気を纏う表の姿からは見えなかった“強さ”とブレない生き方を持つ彼がいた。




同作は、2023年11月6日に配信リリースした「モノクロの世界」に加え、新曲9曲を収録した全10曲のフルアルバム。チルポップやダンスナンバー、バラードからアップナンバーまで色とりどりの個性豊かな曲で彩られている。




歌詞制作やMV制作にも岩田本人が積極的に携わり、独自のクリエイティブと遊び心や新たな魅力が詰まった作品に仕上がった。また前作に引き続き、自身がデザインした油絵をジャケットに起用しており“ARTLESS”を感じられるデザインとなっている。




さらに、2度目のソロツアー「Takanori Iwata LIVE TOUR 2024 “ARTLESS”」も開催。3月23日の宮城を皮切りに、5都市10公演を予定している。
 
岩田剛典「ARTLESS」は自身の活動理念
 


― まずは、今回リリースする「ARTLESS」のポイントを教えてください。




岩田:今回のアルバムは全10曲入りで、そのうちのほとんどが新曲になります。なおかつ、次のアリーナツアーをイメージしながら制作した1枚なので、アリーナの規模感でも迫力負けしないようなアップナンバーが収録されています。
 
― 全体的に明るい雰囲気になっているのでしょうか?
 
岩田:そうですね。僕が好きなチルでリラックスした楽曲というベースは変わっていないと思うのですが、その中でもダンスパフォーマンスが想像できるような、BPM(分間の拍数/テンポ)が早い楽曲のラインナップがメインになっているので、ツアーを想像しながら聴いていただけると嬉しいです

― 2023年はグループでのアリーナツアー、ドームツアーに加え、ドラマ撮影…と多忙な1年だったと思いますが、いつ頃から準備されていたのですか?

岩田:2022年の冬ぐらいからなので、1年半ぐらい前ですかね。ちょうど1年弱かけて制作しました。2022年の冬頃には、今回のツアーをやることがなんとなく決まっていたのでそれに向けてアルバムも準備していました。
 
― 特にお気に入りの曲、またライブで盛り上がりそうだなと思う曲は?
 


岩田:お気に入りは「螺旋の軌跡」という少しネイチャー感のある楽曲です。「人生」「命」みたいなことをテーマにしたいと考えて書いた曲で、この世に生まれ落ちて生きていくということを、自分なりに解釈して、人と人との出会いや、1人で生きていけないからこそ周りに生かされてきた感謝を込めたネイチャー&ピースな曲になっています。サウンドもディズニー感があって(笑)、“ネイチャー感”としか言いようがないこのニュアンスを感じていただけると思うので、ぜひおすすめしたいです。今日初めて言いました(笑)。
 
パフォーマンス映えする曲は「Honest」かな。演出込みで、少しアクティングも含めたようなステージングになりそうです。楽曲の印象だけだと、ジャジーでリラックスした印象かもしれませんが、結構踊ります!おしゃれなパフォーマンスを期待していただきたいです。
 
岩田剛典が考える“生きる意味”とは
 



― 様々な楽曲が揃う中で「Paradise」をリード曲に選んだ理由は?
 
岩田:突き抜ける爽快感と疾走感のあるナンバーで、ツアーをイメージしたとき、一番に思い浮かんだ曲だったので、リード曲に選びました。
 
― 「Paradise」には、「⾛り出せば迷わない」「乗り越えられる どんな道のりも」と前向きな歌詞が散りばめられていますが、岩田さんご自身の考え方が反映されているのでしょうか?
 
岩田:ある意味、自分自身に言い聞かせている部分もありますが、これを聴いた方が「勇気づけられたらいいな」「前向きになれたらいいな」という想いで書きました。
 
― 「自分自身に言い聞かせる」というのは、自分の気持ちが沈んでしまったときに?
 
岩田:そうですね。そういうときもいいと思います。自分が今やるべきことやしなければいけないことがある中で、生きているといろいろな誘惑や外部の声があって、自分の信念を突き通すことが難しいときもあると思うのですが、そういうときに「気持ちを強くいられるように」という想いも込めて歌詞にしています。
 
― 自分へのエールみたいな。
 


岩田:それもありますね!あとは、「Paradise」をツアーに見立てて作っている構図でもあるので「僕がファンの皆さんを乗せてツアーという名の“パラダイス”に連れて行く」といった意味合いもあります。


月に先行配信された「Just You and Me」では、「ありのままの君でいい 格好悪くたっていい 不完全だから美しい」と自分の悪いところもポジティブに捉えられるような歌詞が素敵だなと感じました。岩田さんは、幅広いフィールドでマルチに活躍されていて“完璧”というパブリックイメージも強いと思いますが、ご自身にコンプレックスを感じられることはありますか?
 
岩田:いや、もう沢山あります。僕はこのままだとまずいなと思って生きています(笑)。
 
― 世間のイメージとのギャップに苦しむこともあるのでしょうか?
 
岩田:昔ほど気にしなくなりました。年齢ですかね?でも無理にかっこつけたり、思ってもいないようなことをコピーペーストで言ったりすることはなくなりました。独りよがりになるのは良くないですが、その方がかっこいい生き方だと思っているので、自分の弱い部分や素をさらけ出せる強さが昔より増した気がします。
 
また「私は私」「人は人」という感覚を大事にしています。人から「こうした方がいいよ」と言われても、「それはあなたの意見ですよね?」「あなたにとってはそれがいいと思いますけど、あくまでもあなたの意見なので」と思うようにしています。大人になったのか、頑固になったのか分からないですが(笑)。
 
― ご自身の軸がしっかりあるのですね。では「媚びる」ような言動とは無縁?
 
岩田:いや、媚びることも人生ですごく大事だと思うので、媚びた方がいいと思います。僕は、媚びて成功できるなら、かつ目的意識がはっきりしていれば、媚びないで成功していない人よりいいなという考えです。きっと「媚びる」という言い方がネガティブっぽく見えてしまうのかなと思いますが、人付き合いも仕事も気持ちがいい方がいいじゃないですか?最終的に“人間力”というのはとても大事だと感じます。



― なるほど。では、「Just You and Me」の「You」の視点から、もし誰かと接している中で相手の一面に違和感や引っ掛かりを覚えたときはどうされますか?
 
岩田:僕は言いたいことを本当にはっきり言うタイプで、「ちょっとくらい人に嫌われてもいいや」くらいまで言ってしまうときがあるので、気をつけないといけないなと思っていますが、人にはあまり流されないです。
 
― 人になんと思われようが気にしない?
 
岩田:気にはしますが、それを取り入れない。人から言われたこともいいことは流れていきますが、悪いことはずっと心の中に残って根に持ちます。だからといって全部を相手にするのはやめるようにしています。無駄に対抗しようとは思わず、「僕はあなたじゃないから」というマインドで生きています。
 
― すごくかっこいい生き方だと思います!
 
岩田:いやいや、そうすることでしかうまく生きられなくなってしまいました(笑)。人からよく「それ無理だよ」「できないと思うよ」と言われても、「いや、別に俺はできるし」と思って生きていく感じですね。でも、そう思わないと、実現しないことが多いんです。もちろん、やってみて失敗することはあって、実際にできなかったことや無理だったこともありますが、そこで僕が同調してやらなかったら何も生まれないので、もう周りには「言わせとけ」と思いながら、「僕はやるから『無理』なんて言わないでやろうよ」と引っ張っていきます。
 
★インタビュー後編では、同アルバムを引っ提げた自身初のソロアリーナツアーに対する確固たる想い、そして今後のキャリアプランやメンバーとの近況について語ってもらった。(modelpress編集部)