好きなものには激アツな愛を注ぐ「美し過ぎるオタク」こと川村壱馬の、
偏愛の対象をビジュアルとワードで紐解く連載の第3回のテーマは、「宇宙」。
未知なるものにこそロマンを感じるという彼が見つめる「宇宙のフォルム」と「宇宙の光」。
 
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スキ=宇宙
 
大人になればなるほど、「そんなの無理!」とか「あり得ない!」みたいな言葉で、
行動を制限されることが多くなる。
でも、幼い頃『スター・ウォーズ』を観て「イメージ力」を鍛えに鍛えた彼の目指すところは「誰も見たことのない未知なる世界」だ。
「わからないから面白い」。
そんな壱馬の好奇心の原点は、宇宙にあった。
 

常識も当たり前もない自由すぎる世界観にロマンを感じるから面白いんです
 
今日の撮影で使った光、なんていうか……すごく俺好みです(笑)。
準備しながら、ライティングが出来上がってく過程もチラチラ見てたんですけど、
最初は、“ザ・『スター・ウォーズ』”みたいな感じだったのが、
最終的には映画に出てくる「スターシップの裏側」みたいな。
さらにマニアックなほうにいった感じがした。
 
光の中に立ってるときも、
いつもなら自分の中でちょっとした役づくりっていうか、
そこにいるときの「気持ち」を作ってく感じがあるんですけど、今日はなんか、
自分が無機質なものになった感覚があって……。
人間でも動物でも宇宙人でもロボットでもない、

未知なる存在になったというか。
撮影中は、善人かも悪人かもわからない、 
俺という姿をしたクリーチャーみたいな気分でした。
 
僕は「SFオタク」ではないですけど、
『スター・ウォーズ』に関しては、
オタクと言っても問題ないレベルの愛はあると思います(笑)。
物心ついたときには、家に『スター・ウォーズ』のVHSビデオが、
エピソード4の「新たなる希望」、
エピソード5の「帝国の逆襲」、
エピソード6の「ジェダイの帰還」と揃っていて、
2~3歳の頃からもうテレビの前で好きなシーンの真似をしてた記憶があります。
 

なんでこんなに好きなのか?
 理由の一つは、なんと言ってもキャラクターの個性。
トルーパー(歩兵)一つとっても、
シリーズごとにいろんなタイプが出てくるし、
人間とか動物とかロボットとか、
そういうカテゴリーを超越した魅力がある。
今はすっかり『スター・ウォーズ』のフィギュア集めも趣味の一つになっていて、
ゲーミングルームの一角に置かれたショーケースには、
僕の『スター・ウォーズ』コレクションが燦然とした存在感を放っています。


もう一つの魅力が、独特の世界観の中に浮かび上がる造形美。
戦闘機やスターシップなんかのフォルムも、
これ以上ないくらいにカッコいいし、
惑星みたいな居城にしても、
宇宙で起こる爆発にしても、何もかもが、
「あり得ない!」のに「絶対ありそう!」って思い込める(笑)。
すべてに説得力があるんです。

常識なんて全く通用しない、
その自由過ぎる世界観に、
めちゃくちゃロマンを感じます。
 
未知なものにはロマンがあるし、
宇宙ほど未知なものって、
他にないじゃないですか。
「宇宙ってどうなってる?」っていうテーマでなら、
陣さんや(長谷川)慎と朝まで喋れますね。
でも、宇宙が好きだからといって、
実際に宇宙に行きたいとは思わない。
だって、危険なイメージしかないから。
僕は常に、生存することにこだわっているので(笑)、
リスクを冒してまでは行かないです。
確実に安全に行けるなら別ですけど(笑)。