【レポート】TVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』10周年記念イベントに、凛として時雨らが登場





とデジタルロック色の強い2曲を熱演。

アニメのオープニング映像などを背に、緊張感あふれるサウンド&ステージングで観る者を大いに楽しませた。その後、キャスト陣がステージ上に再登場すると、いよいよ朗読劇に突入する。

拘留から解放された常守を狡噛が迎えにくる、『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』ラストシーン以降が描かれたこのシナリオでは、

各キャラクターたちの個性が際立つ回想シーンを交えながら進行。

そのやりとりやセリフの一つひとつに対して、時には涙を禁じ得ない場面も含まれていたが、エンディングのオチに対しては客席から笑いが起こるなど、

非常に充実度の高いひとときを堪能することができた。朗読劇の余韻を引きずりつつ、イベントはあらたなライブパートへ移行。

あらたな衣装を着用した「楪いのり」がスクリーンに姿を現すと、再びEGOISTのステージがスタートする。

テレビシリーズ第1期の後期エンディングテーマ「All Alone With You」で会場を感動的な空気で包み込むと、

『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』のエンディングテーマ「当事者」で最高潮を迎え、自身のライブパートを全うした。イベントもいよいよ佳境へ。

関と花澤のトークパートでは、

昼公演に塩谷直義監督、

夜公演には日高のり子(ドミネーター役、「高」は、

はしごだかが正式表記)からのメッセージを紹介。

前者からは関と花澤への質問、

後者からはドミネーターのアフレコ時エピソードなどが明かされ、場を大いに盛り上げた。『PSYCHO-FES 10th ANNIVERSARY』最終ブロックは、『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズには欠かせないアーティストの1組である、凛として時雨のライブパート。

テレビシリーズ第1期の前期オープニングテーマ「abnormalize」でスタートしたステージは、ピエール中野(Dr)が叩き出すヘヴィなビートやこのバンドならではのカオティックでエモーショナルなバンドアンサンブル、

TK(Vo/Gu)と345(Vo/Ba)の繊細さとヒステリックさが同居するボーカルワークで唯一無二の世界観が展開されていく。


その後もテレビシリーズ第2期オープニングテーマ「Enigmatic Feeling」、

『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』主題歌「Who What Who What」と、ファンにはお馴染みのナンバーを次々と拾う。

ノイジーなサウンドながらも胸に訴えかけるような歌と演奏を前に、

観客は熱い声援を送り続け、

ラストナンバーである『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』の主題歌「アレキシサイミアスペア」で会場は興奮のるつぼと化し、クライマックスを迎えた。すべての演目を終えると、ステージには改めてキャスト陣が登壇。

それぞれファンへ向けて感謝の言葉と、『PSYCHO-PASS サイコパス』に対する深い愛情を口にし、

最後に関が「どこかで監督が聞いているかもしれないので、みんなで続編をお願いしましょう」、

花澤が「20代、30代の朱ちゃんを演じて、40代の朱ちゃんも演じられたらいいな」と続編制作を熱望してイベントを締め括った。


TEXT BY 西廣智一PHOTO BY 河本悠貴