岩田剛典が語る!「大人な恋愛」と「人生の大切な選択」
 三代目 J SOUL BROTHERSやEXILEのパフォーマーとして人気を博しながら、近年は俳優としても目覚ましい躍進を遂げた岩田剛典さん。篠原涼子さんと共に禁断の愛を体現したNetflixシリーズ「金魚妻」についてお話を伺いました。
 


――まずは、Netflix配信の本作に出演した経緯を聞かせてください。 岩田剛典さん(以下、岩田剛典) 僕はもともとNetflixユーザーだったので、いつかNetflix作品に出演してみたいと思っていた矢先に、このお話をいただきました。
「金魚妻」というタイトルから、どんな内容なののかが想像できなかったのですが、原作コミックが女性にとても人気があり、過激な描写が話題になっているとお聞きしました。 
実際に原作を読み、これを実写化するとしたら、地上波だと放送が難しいような表現になってくると思い、Netflixは攻めているなと感じました(笑)。

視聴者的にも興味をそそられるような題材でしたし、純粋にこういった大人の刺激的なラブストーリーに、僕自身がチャレンジしてみたいという気持ちになり、今回挑ませてもらいました。



 ■「金魚妻」ストーリー 人気サロンの共同経営者で、タワーマンションの高層階に住むという、一見、勝ち組の人生を送っているように見える平賀さくら(篠原涼子)。
でも実は、ケガで美容師の道を絶たれ、夫・卓弥(安藤政信)のDVや浮気に日々悩まされています。
そんな中、ふと立ち寄った金魚屋で、店主の春斗(岩田剛典)と出会い、交流することに。
やがて二人は惹かれ合っていきますが……! Netflixオリジナルシリーズ「金魚妻」には篠原涼子さん演じる“金魚妻”のさくらをはじめ、劇中には、様々な問題を抱える妻たち6人が登場し、夫以外の男と一線を超えていきます。
Netflixならではの刺激的な大人のラブストーリーを、岩田さんはどんなふうに紡いでいったのでしょうか?


 ―夫の浮気とDVに悩む“金魚妻”に、元カレと逢瀬を続ける“外注妻”、欲望を秘めた“弁当妻”、夫とのすれ違いからアルコール依存症の一歩手前の“伴奏妻”、「不倫」と聞くだけで頭痛がする“頭痛妻”、姑との同居問題を描く“改装妻”などが登場しますが、どんな印象を受けましたか? 

岩田剛典 登場する妻たちはみなさん、表面的には幸せそうに見えますが、人の内面はやはり他人には伝わらないものだなと思ったし、みんながそれぞれ生活の中で葛藤を抱えているんだなとも感じました。
そこは視聴者の方にも共感していただけるのではないかと。 
――6人の妻たちのエピソードで、一番インパクトが強かったのは?
 岩田剛典 どれも気になりますが、
妻が他の男性に言い寄られる姿を見て興奮する“弁当妻”の話は攻めていて、ちょっとすごいなと思いました。
原作にもある人気ストーリーですが、それを映像化するのは、Netflixだからこそできたと思います。
 


 
演じた春斗は、偶然にも苦悩という共通点があった

――ラブシーンも多いですが、何か肉体的に準備されたことはありますか? 

岩田剛典 正直、何もしてないです。
やろうと思えば筋肉バッキバキの体にすることもできましたが、僕の体を見てほしいような作品ではないので。
金魚屋のお兄ちゃんがそんなにいい体をしているのも変な話ですから(笑)。 

――演じた春斗に共感できる点や自分との共通点はありましたか? 


岩田剛典 春斗の設定は、偶然にも自分がこの世界に入る時にいろいろ苦悩した部分と多少なりとも似ていたので、あー、なんかわかるなぁと共感できる部分が多かったです。
それが物語の後半でわかっていくというか、前半の伏線が後半に生きてくるので、そういう部分は演じるうえでも気をつけました。 


――春斗はさくらのどんなところに惹かれたと思いますか? 

岩田剛典 そこもシリーズの後半でわかる仕掛けになっています。そこを言っちゃうとドラマのネタバレにもなってしまうので(苦笑)。 

――篠原さんとは映画「ウェディング・ハイ」でも共演されていますが、今回がっつり共演したことで何か発見したことはありましたか? 


岩田剛典 篠原さんの表情がコロコロ変わるところは、きっと才能ですね。
近くで見ていて、同じように顔の表情筋を動かしても、ああいうふうにはならないから、天性のものだと思いました。
 人柄は裏表がなくて、飾らない方ですが、
すごく気遣いの方でもあります。
僕はいつも現場で「ご飯食べた?」と聞かれていました(笑)。また、けっこうふざけるのも好きな方で、ずっと笑えるようなことを探していた印象があります。 


――特に印象的な共演シーンを教えてください。 

岩田剛典 いっぱいありますが、終盤のシーンでさくらと春斗が話すシーンでしょうか。長回しで一発撮りだったのですが、篠原さんのお芝居が素晴らしかったです。
 
運命は信じない。自分自身で切り開いていくものだから


――本作は「その愛は裏切りか、運命か」というものがテーマになっていますが、岩田さんはどちらだと捉えましたか? 


岩田剛典 この作品全体に関しては、どちらもあると思います。 


――岩田さんご自身は運命というものを信じるタイプですか? 


岩田剛典 僕はめちゃくちゃドライなところがあるので、運命は信じないです。

さんざん占いとかに行っておきながらも全然信じてないです。 


――それは、運命を自分で切り開いていきたいタイプだからでしょうか? 


岩田剛典 はい。僕は絶対にそれしかないと思って生きてきました。
もちろん初詣などに行って手を合わせますが、それは昔からやっていることだからそうしているまでで。バチが当たるかもしれないです。すいません。 


――でもその結果、今のキャリアを築けたわけですから。 


岩田剛典 結局、僕たちの仕事は、全部を自分で選択しないといけないので。今回の「金魚妻」も、選択しないといけない場面がたくさん描かれている作品です。だからきっと、今悩んでいる人は、「ああ、わかるなあ」と共感していただけると思います。

――本作に出演したことで、ご自身に何か変化は? 


岩田剛典 こういう過激な描写が話題になりそうな作品に参加したことで「ああ、こういう作品もやるんだ」という印象を与えられた点でしょうか。

いずれにしても一生懸命に取り組んだ作品なので、多くの方にご覧いただきたいのは間違いないですが、お子さんがいる方は、音量を小さめでお願いします(笑)。 

俳優としてもパフォーマーとしても、自ら選択した道を、ストイックに邁進してきた岩田さん。

「金魚妻」では、セクシーでエモーショナルな演技を魅せています。
後編のインタビューでは、2021年スタートさせたソロアーティスト活動「Be My guest」や、ご自身が一線を超えてみたいことなど、岩田さんのパーソナルな部分に切り込んでいきます。



 ■プロフィール 岩田剛典(いわた・たかのり) 1989年3月6日生まれ、愛知県出身の俳優、パフォーマー。
三代目J SOUL BROTHERSのパフォーマーとして2010年にデビューし、
2014年にEXILEに加入。
俳優としても活躍し、
2016年映画初主演作「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」(16)で、
第40回日本アカデミー賞新人俳優賞・話題賞などを受賞。
主な映画出演映画に、「HiGH&LOW」シリーズ(16/17年)、
「パーフェクトワールド 君といる奇跡」(18年)、
去年の冬、きみと別れ」(18年)、
「名も無き世界のエンドロール」(21年)など。
今後も「ウェディング・ハイ」が3月12日(金)に公開予定、
「死刑にいたる病」が5月6日(金)に公開予定。


TVドラマでは「シャーロック」(19年)などに出演し、映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」が6月17日(金)に公開予定。 


■Netflixシリーズ「金魚妻」 Netflixにて全世界独占配信中 
監督:並木道子(フジテレビ)/楢木野礼/松山博昭(フジテレビ) 
原作:『金魚妻』黒澤R(集英社「グランドジャンプめちゃ」連載) 
出演:篠原涼子、岩田剛典、
安藤政信、長谷川京子 他 

監督:並木道子(フジテレビ)/楢木野礼/松山博昭(フジテレビ) 取材・文=山崎伸子 写真=中村好伸 ヘアメイク=下川真矢(BERYL)スタイリスト=桶谷梨乃(W) 編集=鳥居史(ハルメクWEB