👶まんが日本昔ばなし
(うその名人)
死ぬまで「嘘をつき続ける」という、一つ事に徹した男の生涯
昔、三重県の北垣内(きたがいと)村に、
嘘をつく名人の重蔵(しげぞう)という子供がいました。
村人からも、今日はどんな嘘をついてくれるのか?
と期待されていて、
重蔵のつく嘘はみんなから愛されていました。
そんな重蔵も大人になり、
毎日毎日村人たちのためにつく嘘を考え続けて、
ついに病気で死んでしまいました。
村人たちは反省し、
ねんごろに重蔵の葬式を出してあげると、
実は死んだふりの嘘でした。
重蔵の嘘に、村人たちはいつも喜んでいました。
しかし重蔵も本当に年をとり、
ついに寿命をまっとうする日が来ました。
愛してくれた村人たちに、
感謝として「床下にある壺の中にお金が入っているから使ってくれ」と遺言を残し、本当に死んでしまいました。
村人たちは泣きながら、
床下の壺を堀り出して中を確認すると「嘘の言
いじまい」とだけ書かれた紙が一枚入っていました。
村人たちは最後まで、重蔵のつく嘘に騙されっぱなしでした。