かき氷
わがやには10年前にホームセンターで買ったかき氷器があるが、
棚にしまったまま、出番はあまりない。
出せばこどもたちも喜んで「ぼくが」「わたしが」と大騒ぎだが、
今じゃ冷凍庫をあければ、アイスクリームだって入ってるし、
かき氷だってカップに入った市販のものだったりするし、
こどもたちから言い出すことはあまりない。
せわしく暮らしてるなぁと思う。
幼少期の頃、夏といったらかき氷だった、。
家にあったかき氷器は、今みたいに四角い氷じゃだめで円柱の氷専用。
目の前でできあがる真っ白なかき氷の山と、どんどん薄くなっていく氷。
辺りは一面水田で網戸なんかなかった古い家で、
夜にはツマグロヨコバイがよく飛びこんでいた。
いつしか四角い氷もOK、網戸はあたりまえ、辺り一面住宅地になり
ツマグロヨコバイとは縁が切れた。現在だったら、そのたびに悲鳴だ。
高校時代。
学校の近くの小さなおまんじゅうやさんで、
メニューにはない「いちごミルク金時ソフトクリーム入り」を
特別に作ってもらった。今はもうお店を閉じていて寂しい。
短大時代は長崎市内の学校近くの商店街裏のかき氷やさん。
好きだったメニューは「ミルクセーキ」。
おばさんがボールに卵となにやら入れてそこにかき氷を入れて
泡たて器でがーっと混ぜ、グラスに入れてくれる。
それを細長いスプーンで食べる。溶けたって、冷たいミルクセーキ。
今思えば、「なにやら」は練乳だったのかな?
今のお気に入りはセイカ食品の「南国白くま」「元祖鹿児島南国白くま」 。
今では他社製品も含めていろいろな「しろくま」があるようだが、
これは、練乳かき氷にフルーツとあずきが入っている、オーソドックスなやつ。
(フィリピンのハロハロと、日本のこれと、どっちが古い文化なんだろう。)
先週、「『白くま』って何?」という友人のためにこれもどきを作っちゃおうと
(かき氷を溶かさずに運ぶのは無理な状況だったので)、
かき氷器を引っ張り出し、缶詰のあずき、缶詰のフルーツミックス、練乳を携えて
あとはコンビニで氷を買って...とたくらんだのだが、諸事情でボツってしまった。
材料もそろっているし、息子の理科の自由研究の氷があふれているし、
その夜、この夏初めて作ったかき氷が「白くま」風。
マヨネーズみたいな大きな練乳を買っちゃったことだし、
この夏は、ちょっとハマるかも。