●昨夜、たいらじょう君の人形劇『エリック~オペラ座の怪人』。すばらしかったです。
マンションの一室を改築した専用の小さな劇場で、30人も入れば満杯。
でも、だからこそ、手が届く距離で観られました。
あのルルーの『オペラ座の怪人』を怪人(エリック)の側から描いたもので、彼の幸薄い誕生から死まで。
内面に深く入っていく脚本が良くできてて、泣きたくなるくらい切ない「愛」の物語でした。
たいらじょう君は、以前何回かツイートしたように、脚本も演出も美術も人形デザインもすべてこなし、全部の役を声色をかえながら1人で演じる。
『オズの魔法つかい』のような楽しい「1人ミュージカル」だってやっちゃうし(承前)、『毛皮のマリー』のような大人限定の人形劇も。
娯楽性と、芸術性の高さと、詩情と、高度な人形操演の技能と。
今回も、人形の造形が秀逸で、澄みきって、だけど寂しさを湛えたエリックの目が忘れられません。
そのエリックを、じょう君が操ると、たちまち命が吹きこまれ、細やかな感情も感じられます。
●ところで、つい先日、『レミゼ』と『シラノ』が共通してると書きましたが、『オペラ座』もそうなんですね。
相手に振り向かれまいが、ひたすら想い続ける一方的な愛。
そしてバルジャン、シラノと違って、エリック(ファントム)は最期まで報われない。
「私も、他の人と同じように、好きな人と散歩に出たり食事に行ったりしたいのに」という意味のことをクリスティーヌに言うエリックの、とても寂しそうな目が、表情が、哀しすぎました。
https://mobile.twitter.com/jo_taira/status/292103261324992512/photo/1