ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ』 光の使い方が好き | 檜木田正史のブログ(ツイッターより)

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ツイッターを2012年6月21日に始めました。
@hinokida_m

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■そして今日はシアタークリエ。


前回『CLUB7』に続いて今回もボックス席。

幕間の女性トイレって、ものすごい列じゃないですか。


妻のために、いつもできるだけ席は通路寄りに取るんですよ。

で、ボックス席なら近くにトイレがあるし、すぐ出られるしで、好都合。

これ、かなり重要なポイントです。




■ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ』(足長おじさん)観劇。

絢爛豪華な大作、ではなく、登場人物2人、セットも一つのシンプルなものでしたが、


清々しい気持ちになれる芝居でした。



なんといっても、井上芳雄と坂本真綾がいい。

2時間以上の芝居を、たった2人で持たせるわけだから、ずっと喋って、ずっと歌って。

それを飽きさせずダレさせず、一つ一つの場面で、きちんときちんと気持ちを切り替え、でもちゃんと気持ちは繋がってて、

計算し尽くされた演技を見せてくれました。


以前、東宝演劇部の方がツイッターで「知的で切なくて素敵」とおっしゃっててたんですが、


見て納得。



ジョン・ケアードの演出がいいのは、言うまでもないです。


彼の光の使い方は、とっても好き。


やわらかく差し込む自然光のような。そこの場所の空気感が感じられるようです。


セットは一つなんですが(ディズニーランドのアトラクションのセットみたい←ディズニー好きの私にとっては最上級の褒め言葉ですw)、

途中、リゾート地に場面が変わるところがあって、そこで照明が、ふわりと変わる。

それがもう、美しくて、清々しくて、あぁっと息を漏らしちゃいましたよ。




音楽は、思ってたより静かでした。

P・ゴードンは『ジェーン・エア』がとてもいいのですが、

あれは、強い風が吹きすさぶ荒れ地に、すっくと凛々しく立って踏ん張ってる、そんな主人公のそんな音楽。

だから、挑みかかってくる曲VS毅然とした曲がぶつかりあう後に、ふっと優しい旋律が入ってきて(ゆ・る~して~)、そこが胸に染みました。



『ダディ・ロング・レッグズ』の音楽は、そこまで激しくはない。

きっとジルーシャが置かれてる状況が、ジェーンほど苛酷じゃないせいもあるのでしょう(ある意味、恵まれてる)。


でも、プチ恵まれてたって、ささいな喜びや不安はあるはずで、

自分の生き方を、懸命にあがいて見つけようという、真面目さ、まっすぐさがジルーシャにはあって、


だから激しく劇的ではないけど、


ナイーブで、つつましく、でも前向きなナンバーが多かったという。


心温まる芝居でした。