知らない人に優しく在れるひと、知らないところで幸せであれある日の帰り、人身事故で満員になった電車で、目の前の空いた席に座らずに、私に譲ってくれたサラリーマンのお兄さん隣が空いて座った瞬間、首が揺れるくらい深く眠ったのを見て、ぜひ幸せであってほしいと思った。この人の帰った家に、炊きたてのごはんと温かいお味噌汁があってほしい。知らない人に優しく在れるひと、知らないところで幸せであれ。