兆候群の夏いま出航していったあの舟の目的地は、きっとどこかに潜む西瓜畑なのだ。それはいつか夢のランプになる。溶けた氷みたいに幽霊がみんな出てきた日、手をつないで輪っかをつくってた。ぼーんぼーん、と雷が鳴っておりますのは晴れた空の下、わたくしのたましい三階にて。ちり色の虫眼鏡にふらふら光が寄ってきては、紙を焼いていた。ねえ、いい思い出はいつも光のたまった三階でぼんやりしている。どうしたのか、不作の年のまんなかでかかしが泣いているのであの夏まで連れていくのだ。