先日のおなじみ事業仕分けでUR(都市再生機構)がターゲットになった。内容は都市再生関連の5事業の「縮減」、及び全国76万戸の賃貸事業は「高齢者、低所得者向けは自治体、国に移行。民間並み家賃の住宅は民間へ移行」というもの。
これはとても複雑な問題。何でかって、今現在、多数の国民が住んでいる住居に絡んだ問題だから。
まず大前提として、URは約11兆円の赤字であるとされている。独立行政法人である以上、本来は独立採算出来て然るべき。これは営利企業と同じ考え方でも良いはず。
しかしURの場合は他の独立法人と同じく、国から出資を引き出している。国土交通省管轄であるため、同省経由で財務省へ打診し、今期は354億円が出資されたと言う。理由は、築年数の古い住宅が多くを占め、高齢者が多いため建て替え、改修の必要がある、ということ。理由はさらに、通常(民間金融機関など)の資金調達では利息分が大きくなり、家賃などを値上がりせざるを得ないことからそれを防ぐため、と続く。
これに対し民主党側は、民間住宅ではこのような恩恵は受けることは出来ない、不公平。また、入居している高齢者でも高所得者はいる、として仕分け対象とした。しかし、ここで最も問題となった点は国からの巨額の出資だろう。独立法人への出資の場合、どうしても求める以上の金額がサクッと出てしまう傾向にあるというし、それでは組織が肥えるだけで、赤字意識も希薄になる。
実は、一度URの物件を見に行ったことがあるのだが、その時営業所からタクシーを使って何件か回った。内覧中はずっとタクシーを待たせていて、支払いは5,000円以上かかっていたと思う。それもURの経費。これだけでもお金の使い方に対する感覚が分かる。以前民間の不動産も観に行ったことがあるが、その時は営業車か顧客のクルマで動いていた。
ところで、この仕分けを住民側から見たらどうだろう。
まずURの家賃は決して総てが安いわけではない。安いところもあれば高いところもある。これは民間と同じだろう。ただ違うのが更新料。これがないのはURの大きな特徴だし利点。今はあまりないかもしれないが、以前URは抽選じゃないとは入れなかった。これを勝ち抜いた住民は、更新料なしの恩恵を受けている。
もちろん家賃が安い住宅(高齢者、低所得者向け住居)もあるので、それらが槍玉に挙がったのだが、更新料無料も含めこれはURだからこそ受けられる恩恵であって住民はそれを狙って入居している。「URだけは不公平」と言うのは、なんとも不可解。URだからこそ出来ることであって、これは国民へのサービスの一環としてありなのでは。現在入居している住民は、いきなり「更新料が発生します」と言われても、話が違うと言いだすに決まっている。
そもそも、問題なのは組織体質。URの下請ファミリー企業には膨大な額の利益が内部留保されているとされ、そこへの天下りの常態化しているという。URが大赤字なのに。さっきのタクシーの件といい、組織内の「どうせまた国がお金くれる」体質を改善し、下請け企業の整理など、手を付けなければいけないところは幾らでもあるだろう。自己責任で完結する組織に改編するのだ。
これらを遂行しつつ、住民に負担を強いることのない改革を行う。ここらへんがみんなが期待している事なのでは?


