重要な右脚の踏ん張りの効果 | ゴルフ直線打法

重要な右脚の踏ん張りの効果

ダウンの右脚の踏ん張りの重要性を前回に指摘しました(「石川プロの戦績に学ぶ」(08-04-22))。この右脚に荷重を掛けてダウンに入る動作は、ダウンで左脚に体重移動するという一般的なイメージに反するもので、動きの効果が直感的には捉え難いものです。

この動作は「核心打法」の説明にしばしば登場した、ダウンで「上体を右に回す」動きを生みます。これは、ダウンでまず腰を左に引き戻し、腰を左に回す動きでインパクトというホーガンのダウンの説明に真っ向から対立する動きです。ホーガンの「モダン・ゴルフ」の影響力の大きさを考えれば、この動きの解明が遅れたのも当然と言えます。

この動きは体の安定を保つ仕組みが働いて生み出すものです。そこでまず椅子に腰を浅く掛けて両足を床に着け、体の動きを支える体勢を作ります。この状態で左手の親指を右手の平で握ってグリップの形に固め、これを体の前に下げて腕を固めます。この体勢からグリップを右一杯に引くと、右脇前外側まで引かれます。ここから右脚の踏ん張りでグリップを引き下ろします。

この動作をゆっくり実行して見て下さい。グリップが右脇前前方に引き下ろされ、そこから左に水平に引かれる筈です。この時の右足の動きが「螺旋」の動きです。グリップが右脇前下方に引き下ろされ両腕が伸びると共に、左足の床を押す力が強まり、この左足の動きが強まると伸び切った腕がグリップを左に引くことが分かります。この時の左足の動きも「螺旋」の動きです。

この実験でグリップを右脇前下方に引き下ろす時の背骨の動きに注目すると、「上体を右に回す」動きが現れることが分かります。構造的には、腰椎が左に引かれて右回りに回り、胸椎が右に引かれて左回りに回り、頸椎が左に引かれて右回りに回り、背骨の正面を保つ動きです。これが優れたゴルファーのインパクトに見られる、顔が右前を向くような体勢を生みます。

「上体を右に回す」動きでダウンというのは、ダウンで左脚に乗り腰を左に回す動きでインパクト、というホーガン流のダウンのイメージとは正反対の動きになります。どちらが打球の方向性の確保に有利かは、インパクトの直線的なヘッドの動きの力強さと動きの巾の大きさを比較すれば明らかです。

体の右側で一気に振り抜くというイメージは、無意識の中にこの「上体を右に回す」動きでのダウンの実行に誘います。今回の椅子に腰掛けての実験で、この動きのスロー・モーションでの体感的確認ができます。簡単な実験ですから試して見て下さい。ゴルフの動きの世界が広がります。

ここには更に重要な問題があります。それはこの「上体を右に回す」動きでダウンを実行すると、左手がヘッドを押す動きでインパクトに入ることです。次回には、この左腕の動きの役割を再確認します。