「尻尾が犬を振る」:再確認 | ゴルフ直線打法

「尻尾が犬を振る」:再確認

さて、前回の「筋肉の動きの体感的確認」(08-03-16)の実験で、手の握りから地球を掴む足の動きまでが繋がっていることが実感として理解できたと思います。この実験の一つの重要な結果は、「尻尾が犬を振る」(腕の動きが体の動きを引き出す)という、スイングの動きの実態が明らかになったことです。

前回の実験の要領で脚腰の構えを作り、両手のグリップを押し下げようとすると、脚腰の踏ん張りが現れて、グリップを固めて押し下げる強力な動きが実現します。この動きの限界で腕が強力に左へ引かれる動きが現れます。ここで、グリップを押し下げる腕の体勢なしに、腕の筋肉を緩めたまで脚腰に力を入れてみても、腕には何の力も入りません。

この結果は、尻尾を振る意志とその体勢が無くては、犬がいくら踏ん張っても尻尾は振れないことを示すものです。漠然と「犬が尻尾を振るのであって、尻尾が犬を振るのではない」と教えられても、それではスイングの動きの本質は捉えられないことが分かります。

何事によらず、「目的意識が動きを作る」というのが実態です。このために問題になるのは、正しい目的意識の作り方です。スイングの場合、正しい目的意識を作るには、体の各部の動きがどの様な形でクラブを振る腕の動きを作り出すかの知識が必要になります。ゴルファーには、スイングの経験を通じて、この基礎となる知識を身につけることが要求されるわけです。

「クラブを縦に上げる効果」(08-03-14)で触れた、83歳でエイジシュート13回という驚異的な記録を持つ医学博士伊野林斉先生の著書「寝床で筋トレ」には、「ゴルフは常にデンケン、デンケン(ドイツ語で、考える、考える)ですよ」という著者の言葉が紹介されています。

ホーガンも、組織的に観察と実験をしながら進まないと、問題を混乱させるだけになることを知るだろうと指摘しています(「モダン・ゴルフ」第2章)。ゴルフには、考える苦労と、それに伴う楽しみがあるわけです。