スイング面を考える危険再論 | ゴルフ直線打法

スイング面を考える危険再論

日本でプロ・ゴルファーに自身のスイング面について尋ねた雑誌の記事があります(Golf Today, 1994.11.1)。かなり多くの人に尋ねているのですが、スイング面とは何かについて、明確な共通の理解のようなものはなく、各人がクラブの動きの意識で捉えているように見えます。

このような実情でありながら、ゴルフの指導書にはしばしばスイング面による動きのチェックの話が現れます。これは危険です。クラブの動きに気を取られ、ハーディーのスイング面の議論にも見られたように、体の動きと切り離して腕の動きを考える可能性があるからです。

体の動きと無関係な腕の動きを考えると、微細な腕の動きの調整が必要になります。その典型がバックスイングに入る時のグリップの動きです。これが事実であることは、ベン・ホーガンが「モダン・ゴルフ」の多くのペ-ジを、バックのスタートのグリップの動きを確認するワグルの話に割いていることからも明らかです(原著65-69頁)。

ここでの最大の危険は、無意識の中にクラブのシャフトの描く平面的な動きと、左腕の動きとを一致させる意識です。これで腕とクラブが一つの平面を描くように振られことになります。この「面」がスイング面の意識を生み出すと考えるのが自然な見方です。

このスイング面を体の動きに繋ぐには、クラブを左手で握り肩を右回りに回せばよいのです。ところが、この動きではごく自然に左の前腕が内側に回ります。これでグリップがスイング面に乗ることになります。クラブの代わりに団扇を握って同じように振ってみれば、これが腰の回転で振る時の左腕の動きになることが分かります(「団扇(うちわ)一本で動きを見る」(08-02-29))。

こうして、バックのスタートの左前腕の動き、すなわち左グリップの動きが、一定のスイングの動きを引き出すことが分かります。一見ごく自然な動きに思われますが、団扇の実験で見た通り、これがボールを打つ上で良い動作に導くという保証はないのです。

これに対して、左手に団扇を握り、アドレスの構えで左手の親指を右手の平で横から握り、両肘を伸ばして「マジック・グリップ」を固め、これを「上体を右に回す」脚腰背骨の動きで引くと、団扇が立って左腕の描く平面的な動きの内側に上がります。これが「核心打法」のバックで、もとのスイング面のイメージは無くなることが分かります。

漠然とスイング面のイメージにとらわれると、「核心打法」の動きは理解できなくなるわけです。

スイング面は他人の動きの特性を観察するには役に立つかも知れませんが、自分の動きの監視には役に立たないばかりでなく、自然なスイングの動きを妨げる危険もあるわけです。自分でスイングを考える時には、外から見るのではなく、体の動きを内側から見る必要があるのです。スイング面の話には警戒が必要だと思います。