ヘッドを押す仕組みの働きを体感する | ゴルフ直線打法

ヘッドを押す仕組みの働きを体感する

「腕がヘッドを後ろから押す」動きと言われても、馴染めないかもしれません。 Golf DigestのStack and Tiltの話の第二部では、ドライバーの打ち方の秘訣として、ドローを打つにはインパクトの間クラブのハンドル(握り:いわゆるグリップ)をヘッドの前に保て、と教えています。これはヘッドを「引いて」打てという教えです。そこで、ヘッドを押す動きを再確認します。

まず基本的な事実として、ヘッドを押して打つ動きは、右腕を強く使う動きであるということがあります。インパクトでは右肩の位置がボールの右にあることから、これは当然です。実際に右手でクラブを握ってボールを打とうとすれば、これはすぐ理解できます。

このことから、ヘッドを押して打つという動きが捉え難いのは、左腕の場合であることが分かります。そこで左手でクラブを握りヘッドで机の脚などを押してみます。これですぐ分かることは、左手の平でハンドル(クラブの柄)を上から押さえて握る伝統的な握り方では、手首が内側に折れて、腕がヘッドの先に出てしまうことです。

これまでのゴルフの世界を支配してきた左手の握り方は、ヘッドを引いて打つ動きを強制するのです。これに対抗するには、「秘伝:右手は引き左手は押す」(08-02-23)で試したように、ハンドルを左手の平ではなく、指の根元に近い部分で強く握ります。

この強い左手の握りで机の脚を押すと上腕が外側に回り、左肘が内側に引かれるようにして腕が固まり、グリップが強くヘッドを押します。そこで、右手も同じ要領で握り、立って両腕を体の前に水平に伸ばすと、シャフトが垂直に近く立ちます。ここからアドレスの構えに入り、両肘を伸ばせば両腕と両手が固まり、「マジック・グリップ」が出来上がります。

この構えでヘッドを机の脚に当てて押すと、自然に両脚腰が上体を右回りに押し返す形で踏ん張り、両腕が伸びて「右手は引き左手は押す」形になります。この時の腕とクラブの体勢は、細かな内容を無視すれば、Stack and Tiltの第二部で、ドライバーの駄目なインパクトを示す写真に似ています。このように、左手の握り方一つでスイングの動きの見方が反転することが分かります。

ここでの躓きの石は、このブログのインパクトの議論に「両脚腰が上体を右回りに押し返す形で踏ん張る」動きが登場することです。インパクトはボールを左方向に打つ動作ですから、インパクトでは上体は左に回る筈だと感じます。ところが実際の動きは、上体を右に回す動きの中で背骨が一瞬正面向きに引き止められて腕が伸び、次いで更に上体を右に回す動きで腕が左へ引かれるのです。

この動きは強力ですが、動きの構造は複雑です。これを次回に検討しましょう。これで、スイングのパワー発揮の仕組みが、より自然なイメージで捉えられるようになります。