膝の動きの重要性:続 | ゴルフ直線打法

膝の動きの重要性:続

前回の話は、これまで避けて来た、「反魔法型」の動きで振るスイングの構造を固める試みでした。これと対比することで、「核心打法」の特性も一段と明確になります。伝説の59打者アル・ガイバーガーや、歴史的に権威のあるベン・ホーガンの打法に対立する形の「核心打法」ですから、動きの構造の詳しい議論が必要になります。

腕と脚腰を固め、足の「螺旋」の動きで振る「核心打法」の場合にも、「深いトップ」への動きで膝の状態に変化が生まれます。それまで右に引かれていた膝に、左に引かれる動きが現れます。この体勢からのダウンとインパクトの直線的な左への引き抜きの動きが、膝の動きで決まります。これは微妙な動きですから、推測と実験の組み合わせで話を進める以外に方法はありません。

ダウンの動きはグリップを右脇前に引き下ろす動きで、これには両脚を踏ん張って踵を押します。この動きで右に下りる腕にバランスする形に腰が左に引かれ、ここで膝がロックします。この動きで腰が引き止められ、膝が僅かに前に引かれてグリップが前に押し出されます。これで足先に力が掛かり、両足が地球を右に押す動きに入りこれで腕が左に引かれてヘッドを押し抜きます。

これらの動きでは、踵で地面を押す動きと共に緊張する腸脛靱帯や、尻の下背部の緊張で背骨を正面向きに固定する深層外旋六筋の活動があることは既に見てあります(「脚腰の動きの微細構造」(08-02-13))。前回に検討した、両足の「回転」の動きで実行する「反魔法型」のダウンでは、これらの筋群の緊張は感じられません。

「核心打法」の動きでは、刻々の動きの転換点(一つの動きの限界)で、両膝の動きに伴う脚腰の反射的な動きが現れ、最後に腕の左への引き抜きの動きが現れます。「火事場の馬鹿力」が効果的に利用されるわけです。こうなれば、少ない筋力の持ち主でも、予想以上の飛びが期待できることになります。

この動きの転換点では、一種の不連続性が現れるわけで、「反魔法型」のスイングのように、滑らかに腰を回し切る動きではこの力は発生しません。

話がうますぎると思う人は、ゆっくりそれぞれの膝の動きの転換点と、対応する両腕の動きを確認してみて下さい。明確な動きの仕組みと、これによる腕の動きが確認できる筈です。こうして予期した効果が実際に得られることを、実際にクラブを振って確認すれば、これらの動きの説明も納得できる筈です。

ここで注意すべき点があります。これらの細かな動きの確認に熱中する中に、陰の主役、背骨の動きが意識から消えることです。これにつては、また機会を見て検討することにします。