思い込みの怖さ | ゴルフ直線打法

思い込みの怖さ

19番ホールの筈が、次第に深刻な話になって来てしまいましたので、今回は息抜きとして思い込みが理解を妨げるという至極当たり前の話をすることにします。

第二次大戦が終わったある日、当時下宿していた旧制中学時代の恩師(英語の先生)の家に進駐軍の将校が何人かやって来ました。なかなか品のよい紳士達でしたが、近くの飛行場に輸送機で着陸したとのことで、これから町に買い物に行きたいというのです。

先生は都合が悪く、お前が通訳をしろということで、ショッピングに同行しました。あれこれ日本の反物などを買い込んで無事帰還ということで、のんびりと話をしていたのですが、突然話が通じなくなりました。

さかんにアプラという言葉が出ます。まるで「油」のような響きです。これがどうしても理解できないのです。

遂に手に持っていた小さな英和辞書でその単語を指さして貰いました。operaだったのです。確かに発音記号でみればアプラに近い発音であることが分かります。野球のアウトがoutであることを考えれば、このoの発音はは「自然」なものです。ところが、われわれ日本人にはオペラという言葉が定着していますから、アプラがoperaであるとは考えもつかなかったのです。

その後で飛行場に連れて行かれ、輸送機の室内に上がってみました。エンジンの試運転ということでしたが、突然乗降口のドアを閉めようとします。沖縄に連れて行かれるかと不安になり、下ろしてくれと叫んだのですが、試験的に飛ぶだけでまた戻ると言うのです。

やがて白波の打ち寄せる田子の浦の海岸線が眼下に広がり、駿河湾の青さが目にしみます。着陸に失敗して急上昇、体中のものが上がってくる感じで椅子にしがみつく中に、無事姿勢を立て直して着陸しました。

どうして今こんなことを思い出したのかと不思議な気がしますが、ゴルフの話に英語がしばしば登場するためだと思います。読み方を間違えるのは無害ですが、意味のはっきりしない言葉を使うのは危険です。各人の知識に依存して、勝手な解釈をする危険があるからです。スイング面はswing planeの訳ですがその解釈は大丈夫でしょうか。

しばしば使う肩と腕の「魔法の動き」は純国産ですが、言葉の解釈には同様な危険があります。これ一つを誤解するだけで「核心打法」の話は通じなくなります。

どうやら、アメリカのゴルフ指導者にとっても、スイング面の解釈は明確ではないようです。これを裏付ける資料が手許にあることに気がつきました。次回はその内容を紹介します。