左上腕の動きの構造 | ゴルフ直線打法

左上腕の動きの構造

最近の話で、「核心打法」の左腕の動きがこれまでの通念と全く異なることが明らかになりました。この動きの要点は前回(0-01-18)の次の説明に要約されています。

「対応する左腕の動きでは、アドレスの構えで左手と左腕を固めて伸ばし、固めたグリップを右肩外側方向に押し上げると、左前腕が回外しながら上がります。ここから左肩を右前に引き出してグリップを「深いトップ」に入れると、膝のピボットの動きと共に左前腕が回外して左肘が引き込まれ、左グリップが背中側に反ってダウンの方向に向きます。

更に左腕を伸ばしてグリップを右脇前に引き下ろせば、脚腰背骨が肩を右回りに回す形に踏ん張って腕が左回りに回りながら伸びてダウンが実現します。このダウンの限界で更に脚腰背骨の踏ん張りを強めると、腕が左回りに回りながら体の前を引き抜かれてインパクトが実現します。」

実際に動きを作ってみれば、確かにこのような動きでボールが打てるのは分かります。しかし何故このような動きになるのかは明瞭ではありません。これでは、従来の例と同様な勝手な左腕神話の一つと見なされる危険があります。そこで、腕の動きの仕組みから見るとこれが自然なものであることを確認したいと思います。

スポーツ医学の草分け的存在であるフランク・ジョーブ博士等による著書「ジョーブ博士のゴルフ・フィットネス」(Frank W. Jobe M.D. & Diane R. Moyes M.S., R.P.T. 大畠襄監訳 河野照茂・古賀弘之訳 ソニー企業株式会社 1990)では、上手なゴルファーは、腕の縦軸回りの回転の動きに関わる肩回旋筋腱板を主に使い、肩と腕を繋ぐ三角筋はあまり使っていないとされています。

ところが、今回の左腕の動きは、この三角筋の働きに注目するとよく理解できるのです。三角筋は腕の外側上端外側を覆う大きな筋で、前部、中部、後部の三部分で腕を肩の仕組みに繋いでいます。前部は腕を内側に回しながら引き上げ、後部は腕を外側に回しながら引き上げます。右上腕内旋、左上腕外旋の「魔法の動き」では、右腕は前部、左腕は後部が働くことになります。

この左腕の三角筋後部の働きが理解し難いために、これまでの左腕の議論の混乱が生まれたと思われるのです。もちろん、肩と腕の「魔法の動き」には肩周りや胸周りの強い筋群が複雑に絡み合って動いていますが、腕を回す肩回旋筋腱板の動きと共に上腕を回しながら引き上げる三角筋の大きな筋の働きは、上手く使えば重要な働きをするであろうことは確かです。

「魔法の動き」の腕の動きとしては、この他に右前腕の回内、左前腕の回外の動きがありますが、これらは肘から先の動きになります。そこで左腕をぶら下げて、上腕を外側に回しながら引き上げる動きを試してみて下さい。この動きと共に、左肩甲骨が右前方向に引かれ、肩を右に回す動きと共に腕が外旋して引き上げられるという複雑な動きが現れます。

この三角筋左後部と右前部の対応で、簡単な動きのイメージが生まれます。その話は次回に。