告白と弁明 | ゴルフ直線打法

告白と弁明

さて「核心打法」がほぼ纏まり、自分以外の人にも著しい効果を現すのを見ると、この辺りで懐古と展望を試みる必要を感じます。どうやら展望はまだまだ開けて来ませんので、懐古に伴う告白と弁明に終わりそうです。

実は60歳に近づく頃、それまで違和感を持っていたゴルフというものを身近に見ることになりました。実際にクラブを振る羽目になった時には、昔剣道の練習を長い間続けていたことから、同じように腕を伸ばして振る気になりましたから、これでボールを横から打つことに慣れるには時間が掛かりました。それでも何とか打てるようになった時に災難が降りかかったのです。

仲間が持っていたゴルフの聖典と言われるベン・ホーガンの「モダン・ゴルフ」が目に入ったのです。「良いゴルフは良いグリップから始まる」という巻頭の第一声に恐れ入り、克明にグリップを固めることを試みました。剣道で防具を着けて竹刀を握る手は、今思えば「マジック・グリップ」だったのですが、これをクラブが左手の平を斜めに横切る握り方に修正したのです。

続く災難は、原著まで手に入れて学んだ、インパクトの「左前腕のスピネーション(回外)」という玄妙な響きの示す動きです。前にもちょっと触れたように、これでそれまで安定していたドライバーが、ソールでボールを蹴飛ばすようになったのです。今にして思えば、いわば極限のシャンクだったのです。ここからの恢復には時間が掛かりました。

結局、剣道流の縦の振りの動作を封印し、ひたすら右に直線的に振り、そこから左へ直線的に振るというスイングを「開発」したのです。これでボールは真っ直ぐ飛びます。その上例の左前腕スピネーションのお陰で、フェ-スは被せ気味になり、ボールは低く飛びます。特にフェアウェイ・ウッドは絵に描いたような低く真っ直ぐな弾道で飛びランが出ます。

こういう次第で、仲間の誰よりも飛びませんが、グリーンに近づく時はしばしば一番乗りになります。そこから腕を伸ばしてアイアンで転がせば、楽にピンに近づきます。こうしていつの間にか90切りを目前にする所まで来ました。実際にある日まだ打数を十分残して最終ホールのグリーン手前の斜面に辿り着いたのです。

ここで悲劇が発生しました、ピンまで近いことから、ウェッヂで寄せる気になったのです。この一発が見事なシャンク、始めの位置よりピンから遠い斜面にボールは止まりました。ここで寄せればまだ見込みがあります。ところがこれがまた見事なシャンク、ますますピンが遠くなるばかりです。あとは御想像通り、パットも思うようにならず90切りは夢と消えました。

ここからスイングの全面的見直しに入ります。間もなく緊急入院。一命を取り止めたが体力は完全消失。翌年にはヘルペスに右胸を痛めつけられ、ベッドに転がりながら腕を振り、「革命的イメージ」に到達。続いて捉えた「上体を右に回す」動きでドライバーとウッドの高く真っ直ぐな真っ当な飛びをはじめて経験、達人の理論は非力な凡人の役には立たなかったと悟るのです。