グリップを固める | ゴルフ直線打法

グリップを固める

「核心打法」の基本は、肩と腕の「魔法の動き」の確実な実行でスイングの動きを作ることで、これに適したグリップが必要になります。

グリップの形の確認のためには、まず左手でクラブを握り、ヘッドを体の前の机の脚に当て、力一杯左に引いてみます。これでシャフトが撓む程の力が出せるようにグリップを調整します。次ぎに右手でクラブを握り、ヘッドで机の脚を押して左手の場合と同様にグリップを調整します。

この結果から、クラブを手の平の指の根元部分で握る形が、一番力が出せることが分かります。これはゲンコツを握る形になり、手の平を斜めに横切る形で握る伝統的なグリップの形とは異なり、シャフトを垂直に立てても耐えられる強いグリップになります。この左手の握りに右手の握りを加え、逆オーバーラップ風に固めると、「マジック・グリップ」(07-09-20)になります。

これは伝統的な握り方とは異なるために、気になって資料を確認してみると、著名な飛ばし屋として知られるマイク・ダナウェイが、グリップは左手の根元で握り、インターロッキングで右手を握るとしていました(Mike Dunaway DRIVE FOR DOUGH Golf Magzine 8/85 p.33)。これから見ると、パワーの観点からはこの握り方のグリップが良いことが分かります。

「マジック・グリップ」を固め、前回(07-11-14)に議論した、肩と腕の「魔法の動き」を確実に実行し、「深いトップ」から一気にヒットの意識でダウンを実行すれば、右脇前にグリップが引き下ろされ、肩と腕の「魔法の動き」が左右の腕が伸び切るようにグリップを押して、インパクトの直線的なヘッドの引き抜きが実現します。

この「マジック・グリップ」に比べ、伝統的な左手の平を斜めに横切るように握るグリップでは、肩の動きで腕を動かすとヘッドが下がってしまいます。これを支えるために右手で横から握り、右肘を引き込んで固めています。

ホーガンはこの事情を、アイアンを左肘の後ろと右肘の前を通るように支えた図で説明しています(BEN HOGAN'S POWER GOLF, POCKET BOOKS, 1953)。この右肘が引き込まれた体勢では、インパクトで右腕が固まって肘が伸びると、ヘッドが前に押し出されてしまいます。そこで、インパクトでは前腕だけを左に回す動きが要求されます。

この場合のグリップの動きは、腕全体の長さに比べると短い半径の円周を描きます。当然腕全体を固く伸ばして左に引く場合に比べ、方向性確保の能力が下がる筈です。この前腕の動きが強すぎれば、ボールは左に飛びます。ホーガンにはフックに悩まされたという話もあります。(註:ホーガンの場合、全体的な動きは「反魔法型」です)

「マジック・グリップ」の着想は、足の「螺旋」の動きと共に、「核心打法」のパワーの確保にとって画期的であったのですが、その理解はまだ不十分だったのです。これを次回に論じます。