ホーガンのスイングを解読する | ゴルフ直線打法

ホーガンのスイングを解読する

腕の動きからスイングの構造を捉えることに慣れると、気になるのは「モダン・ゴルフ」に書かれたベン・ホーガンのスイングです。「モダン・ゴルフ」は、ホーガンの経験に基づいてスイングの構造を詳しく書いたもので、その影響の大きさを考えると、ホーガンのスイングの実態が大いに気になります。

一言で表現すれば、ホーガンのスイングは徹底的な「反魔法型」です。「反魔法の動き」というのは、「魔法の動き」の反対に、右腕を外側、左腕を内側に回す腕の動きです。当然これに伴う肩の動きもあります。

「反魔法型」では、バックのスタートでフェースを開く形の動きになります。脚腰の踏ん張りでグリップを右に引き続けると、いわゆるフラットな動きで低いトップに入ります。そのままの体勢で腰を左に引き戻すダウンの動きに入ると、「反魔法の動き」が継続して両肘が体側に添って引き戻されます。

この型の動きの最大の問題は、ここからのインパクトの動きです。そのまま引き続けると限界で腰が左に回り、この動きでヘッドが外向きに投げ出されてしまいます。これを防ぐためには、腰の回転の動きを足の「回転」の動きで受け、この足の動きで右前腕回内(内側回し)、左前腕回外(外側回し)の動きを引き出します。

この左前腕回外の動きはスピネーション(supination;回外)と呼ばれ、「モダン・ゴルフ」を有名にしたもので、ホーガンはその重要性を力説しています。スイングにおけるスピネーションの議論は関心を呼びましたが、回外、回内などの動きの利用は、1922年出版のセイモア・ダンのGOLF FUNDAMENTALSに、既に詳しく議論されています。

ホーガンはこの動きの重要性を詳しく議論し、回外する(supinate)代わりに回内する(pronate)と様々なエラーを生むと図入りで警告しています。しかし、この前腕の動きは腰の左回転を足の「回転」(07-06-09)の動きで受けることで生まれることを知れば、ごく自然な動きの中で実現することが分かりす。このためインパクトの動きは腰が左に向く過程で生まれます。

これでスイングの動きの構造が確定し、これに適したグリップがどのようなものかが決まります。グリップを先に決めるという「モダン・ゴルフ」の出発点は、足を通じて地球に繋がる脚の動きと、腕の動きの繋がりの関係が先であることを見落としています。これではスイングの議論は難しくなります。

ホーガンのスイングが「反魔法型」であることを始めに理解することで、「モダン・ゴルフ」の議論は解読できるのです。