モダン・ゴルフと言うけれど
1945年のP.G.A.ツアー競技で、11連勝を含む18勝という驚くべき成果を上げたバイロン・ネルソンは、ヒッコリー時代のバックでフェースを開き、閉じながら引き戻して打つというキャディー・スイングから、現代風の打法への移行を最初に完成したと言います(Byron Nelson SHAPE YOUR SWING THE MODERN WAY Golf Digest, Inc 1976, Reprint by Alisa, Inc 1985)。
彼の言うキャディー・スイングは、「樽の中で回る」と呼ばれる、足や脚を余り使わずに腕を振るもので、これに対して体の動きを多く使う現代風のスイングの動きは、しばしばボディターン(body turn)と呼ばれます。ターンは「回転」ですから、ボディーターン打法は体の回転を使う打法と理解されやすいのですが、ここには問題があります。
体の回転という言葉の難しさ曖昧さについては前にも議論しました(「スイングの動きを言葉で表現する難しさ」(07-10-11))。最初に現代風の打法に移行したバイロン・ネルソンは、彼の脚腰の動きは、単純な目標に向かっての横方向の押しだと考えていたと言います。自分が実際に回していた程、腰を回していたとは思わなかったと言うのです。
実際に、彼のスイングを横から撮った連続写真では、インパクト圏で右の腰ポケットが殆ど回転の動きを見せていません。また、インパクトの振り抜き時点でネクタイが真っ直ぐ前向きに下がっている写真もあります(資料:バイロン・ネルソン新春技術トーク[後編] インタビュー 中村信隆編集長 ゴルフダイジェスト1991年1月22日号)。
インターネット上の動画で見ると、ネルソンのスイングでは、右腕が左水平の高さに抜けるまで頭の左方向への回転の動きは見えません。ホーガンの場合には、腰も頭も左回りに回り続けてフィニッシュに入っているように見えます。この二人は同年の生まれですが、現代打法への転換を最初に実現したネルソンのスイングの方が、体の回転の意識のない「直線的」なものであることが分かります。
更に注目すべき点として、前記ゴルフダイジェスト誌のインタビュー記事で、「ダウンでのヒザの動きというのは意識の中にありますか」という問いに対する答えの中で、「頭を飛行線後方に動かすくらいの気持ちで打つことだ、これによってクラブヘッドは真っ直ぐ走る」と話しています。これはまさしく「上体を右に回す」動きに対応する動きの感覚です。
ここまで来ると、著書「モダン・ゴルフ」で有名なホーガンの打法に比べ、ネルソンの打法は体の回転の意識の無いものであることが明瞭になります。モダン・ゴルフすなわちボディーターンという理解には、大きな誤解の危険が含まれているのです。次回にはその内容を明らかにします。
彼の言うキャディー・スイングは、「樽の中で回る」と呼ばれる、足や脚を余り使わずに腕を振るもので、これに対して体の動きを多く使う現代風のスイングの動きは、しばしばボディターン(body turn)と呼ばれます。ターンは「回転」ですから、ボディーターン打法は体の回転を使う打法と理解されやすいのですが、ここには問題があります。
体の回転という言葉の難しさ曖昧さについては前にも議論しました(「スイングの動きを言葉で表現する難しさ」(07-10-11))。最初に現代風の打法に移行したバイロン・ネルソンは、彼の脚腰の動きは、単純な目標に向かっての横方向の押しだと考えていたと言います。自分が実際に回していた程、腰を回していたとは思わなかったと言うのです。
実際に、彼のスイングを横から撮った連続写真では、インパクト圏で右の腰ポケットが殆ど回転の動きを見せていません。また、インパクトの振り抜き時点でネクタイが真っ直ぐ前向きに下がっている写真もあります(資料:バイロン・ネルソン新春技術トーク[後編] インタビュー 中村信隆編集長 ゴルフダイジェスト1991年1月22日号)。
インターネット上の動画で見ると、ネルソンのスイングでは、右腕が左水平の高さに抜けるまで頭の左方向への回転の動きは見えません。ホーガンの場合には、腰も頭も左回りに回り続けてフィニッシュに入っているように見えます。この二人は同年の生まれですが、現代打法への転換を最初に実現したネルソンのスイングの方が、体の回転の意識のない「直線的」なものであることが分かります。
更に注目すべき点として、前記ゴルフダイジェスト誌のインタビュー記事で、「ダウンでのヒザの動きというのは意識の中にありますか」という問いに対する答えの中で、「頭を飛行線後方に動かすくらいの気持ちで打つことだ、これによってクラブヘッドは真っ直ぐ走る」と話しています。これはまさしく「上体を右に回す」動きに対応する動きの感覚です。
ここまで来ると、著書「モダン・ゴルフ」で有名なホーガンの打法に比べ、ネルソンの打法は体の回転の意識の無いものであることが明瞭になります。モダン・ゴルフすなわちボディーターンという理解には、大きな誤解の危険が含まれているのです。次回にはその内容を明らかにします。