難しいダウンの動きの仕組み | ゴルフ直線打法

難しいダウンの動きの仕組み

実はベン・ホーガンが最も重視する動きはダウンの動きです。「モダン・ゴルフ」では、ここに腰の回転を伴う左への引き戻しが登場します。その説明は極めて納得し難いものなのです。更にインターネット上で見られるホーガンの動画では、ダウンを肩ではなく下半身の動きで始め、その動きの最低点でリリース(腕を解放)すると説明しています。

この説明の欠点は、インパクト圏でのスイングの方向を決める、「体の正面」が決まらないことです。これではショットの方向性の確保は難しくなります。この問題の解決には、頭を安定に保つ脚腰背骨の動きの特性を利用する以外に方法はありません。

最近検討して来た、クラブを押し上げる「螺旋」の動きで「深いトップ」に入れ、引き締まった肩と腕の体勢をそのまま、一気に左の上に向けてクラブを振り抜くというダウンスイングの実行法も、それだけでは方向性の確保が曖昧に見えます(決定打2:「螺旋」の動きでクラブを押し上げる!(07-10-08))。

この問題に対する解答は、クラブを押し上げる基本構造である、足の「螺旋」の動きを背骨の動きに繋ぐ仕組みを検討することで得られます(「魔法のグリップ」でドライバーを振る(07-09-21))。この動きの基本は、腰(腰椎)部分の背骨を右回りに回し、胸(胸椎)を右に引く動きを生みます。これが、これまでにもしばしば登場した、「上体を右に回す」動きです。

前回(07-10-12)に解説した、両足の「螺旋」の動きで地面を下向きに押すバックのスタートでも、この「上体を右に回す」動きが現れます。左手の親指を右手の平で握り、両手をグリップの形に固めて両足の「螺旋」の動きで地面を下向きに押し、バックの動きを作ってみれば、体感的に確認できます。

バックでこの動きが現れ、「深いトップ」への動きでもこれが更に強まります。問題はここからのダウンスイングです。一貫して「螺旋」の動きを継続してクラブを振る「核心打法」の場合、ダウンスイングでもこの動きが現れ、ダウンからインパクトの振り抜きも「上体を右に回す」動きで実行されることになります。

「上体が右に回る」動きを確保して、足の「螺旋」の動きでダウンの動きを作ると、インパクト圏のグリップの引き抜きを強力に実現する、足腰背骨の動きが現れます。この動きでは、その構造上、頭は安定に保たれて「体の正面」が確保されます。ダウンの「螺旋」の動きは、左上への振り抜きではなく、インパクト圏での方向性の良い強力なグリップの引き抜きを実行するのです。

しかし、バックとダウンという異なる方向の動きが、一方向の背骨の動きで実現するのは何故でしょう。これは「深いトップ」への動きで発生する、肩の「魔法の動き」によるのです。その話は次回に回します。