「魔法型」と「反魔法型」のスイング面 | ゴルフ直線打法

「魔法型」と「反魔法型」のスイング面

1968年に公表された英国ゴルフ協会の研究成果の報告には、スイングの高速写真記録に基づいて、右側面から見た四人のプロのクラブ・ヘッドとグリップの動きが描き出されています(Alastair Cochran & John Stobbs, Search for the Perfect Swing, Triumph Books, 1999)。これを見ると、二組の明瞭に異なるスイングの型が認められます。

二人のプロの場合は、グリップが低い軌道を通ってトップに上がり、ダウンではこのバックの軌道より遙かに上を通ってボールに向けて引き下ろされ、残りの二人の場合は、より急な角度でトップに上がり、この軌道を逆に辿る形で引き下ろされています。これまでの動きの検討結果から見れば、始めの二人のスイングは「魔法型」、後の二人のスイングは「反魔法型」です。

両者のグリップの上げ下げの動きの違いは極めて明確で、当時からスイングには二種類の型があったものと考えることができます。このことは、スイングのヘッドの動きの面にほぼ垂直な位置に置かれたカメラによる、別の三人のスイングの高速写真の解析結果にも明瞭に現れています。

ここで気になるのは、「魔法型」と「反魔法型」のスイング面の違いです。ところがここで更に問題があります。そもそもスイング面とは何だろうということです。セイモア・ダンは、「モダン・ゴルフ」より遙か以前の1922年に、スイングではボールと目標を結ぶ目標線線と肩の中心を含む斜めの平面内でヘッドを振ると書いています。

スイング面を有名にしたのは、ホーガンの「モダン・ゴルフ」の肩に掛かる硝子板のイメージですが、ホーガンはバックとダウンでスイング面は異なるとしています。このことから、当然そのスイングは「魔法型」と思われるのですが、ホーガンの説明ではダウンスイング面はバックスイング面より傾斜が弱く、水平軸がボールから外方向に向いているとしています。

ところが始めに紹介したグリップの軌道の観察結果からは、「魔法型」ではダウンの動きの方が急角度でボールに向かいます。ホーガンの説明が正しいとすれば、バックで高い位置に上がったグリップを、一旦引き下ろしてインパクトに向かうことになり、スイングの第三の型が登場するわけです。

ホーガンの説明が納得しがたいことについては、以前にも指摘してあります(「螺旋」を生かす脚の動き(07-05-22))。実はここにホーガンの固有の癖が生む、動きの型があったのです。これについては検討することにします。