ネルソンの直線打法 | ゴルフ直線打法

ネルソンの直線打法

クラブのシャフトの材質がヒッコリーからスチールに変わった時、クラブの特性の変化に対応して近代打法が登場しました。この転換を最初に実現したのがバイロン・ネルソンで、今回は最近手に入れた資料に基づいて、ネルソンが新しい打法を導入した時の考え方を眺めてみます。(資料:Byron Nelson SHAPE YOUR SWING THE MODERN WAY Golf Digest 1976, Reprinted by Ailsa, Inc. 1985)

ネルソンのスイングの転換の経過は彼の著書(前記資料)に簡明に書かれています。ヒッコリーの場合はシャフトの捻れが大きく、このためフェースを開いて低くバック、ダウンではフェースを閉じるように振り、フックを防ぐためにインパクト時点でフェースの回転を止め、「左の壁」に打ち込む要領で打っていたといいます。このスイングでは、樽の中で体を回すように胴体を回してクラブを振ることが要求されます。

スチール・シャフトの場合は捻れがないために、フェースを開くことなく真っ直ぐバックし、トップからはクラブは殆ど落下するに任せる感じで、足と脚(feet and legs)が真っ直ぐボールを通してクラブを運び、目標に向けて直線上に保つようにしたということです。同じ頃、頭を殆ど動かさないことを思いつき、これで全てが上手く行くようになったそうです。

この話から、昔自分が考えたAB型スイングを思い出しました。AB型では、奴凧のように肩を左右に振るA型の動きと、背骨の軸に直交する平面内でクラブを右に振り、引き戻してボールを打つB型の動きの組み合わせでスイングを作ります。インパクトの方向性は、胸の上部の胸鎖関節の平面を前向きに固定することで確保しました(「スイング面の無限の多様性」(06-04-01))。

AB型スイングは、インパクト圏の巾が広く、極めて方向性が良いのです。練習場で見ると現在でも樽のように体を回してクラブを振る人が圧倒的に多いようですから、AB型は新しい打法に思えました。しかしネルソンは1930年に同じような型の打法を確立し、これで目覚ましい成績を上げていたのです。

ネルソンの話でわかるように、クラブの特性がスイングに大きく影響します。今でもクラブを右に引くとフェースが開くクラブがあります。この型のクラブを振るとヒッコリー時代の回転打法に引き込まれるますから注意が必要です。

ネルソンの打法あるいはAB型打法の特徴は、足の動きの観察で明らかになります。これらの打法のバックでは「螺旋」の動きが現れます。これに対し、ダウンでは足先に力が掛かり「回転」の動き(下腿が左に傾く)が現れて腕を前に振り出します(「深いトップ」の重要性再論(07-06-09))。この動きでは、ダウンで地球を下向きに押す力が不足します。

AB型打法と足圧の話は更に続きます。