丹田と「螺旋」を回る話 | ゴルフ直線打法

丹田と「螺旋」を回る話

以前に腰と胸の動きを、「上丹田」「下丹田」の動きと書きました(「背骨の正面」を固定するダウン(07-05-17))。これらの名称は一般的なものではなく、野口体操で有名な野口三千三氏の呼び方に従ったもので、野口氏は体の動きのバランスについて、これらの「丹田」が重要な意味を持つことを指摘しています(野口三千三 原初生命体としての人間 三笠書房 1972)。

これについて面白い説明があります。二つの「丹田」の重要性は“人間が地球から「ぶら上がっている」と考えれば理解しやすいと思う”と言うのです(同書133頁))。更に、足の裏は“地球への話しかけと地球からの答(応え)を聞く直接責任者”という表現もあります(同書16頁)。

これは、これまでこのブログでスイングの本質を捉えるイメージとして繰り返し強調して来た、「ゴルファーは宇宙空間を遊泳する地球を足で掴んでぶら下がっている」という見方とよく対応しています。しかし、「ぶら下がっている」と考える方が、「足の掴み」に意識的な努力が必要なことが一段と明らかになります。

古くからの丹田の考え方では、上丹田は頭、中丹田は胸、下丹田は腰の動きの中心と捉えられています。スイングの動きの議論では、これらの点の動きが常に問題になりますが、地球を掴む足の動きの議論はあまり見掛けません。ゴルフ・シュ-ズの設計では地球を掴むためのスパイクの配置が問題になりますが、これを有効利用する体の動きの話は殆ど目に入りません。

「螺旋」の動きはこの盲点に切り込むもので、スイングを決める最重要な動きであり、構造的には極めて複雑なものです。「核心打法」の実行イメージとしての「直線イメージ」は、この動きを利用法の面から明確にします(「背骨を右に引くダウン」(07-06-01))。このイメージでスイングを実行してみると、ホーガンのダウンの説明の問題点が明瞭になります。

「モダン・ゴルフ」では、ダウンの腰の左への回転的な動きが強調され、体の上部、腕、手がこれに従うとされています。この動きで、ホーガンの指摘するように、クラブをインサイドアウトに傾くダウンスイング面に添って振るには、体の上部の左回転を押さえなくてはなりません。「螺旋」の動きはこれを実現します。

実際に、ホーガンのスイングについて、レッドベターは“できるだけ長い間、右足を地面につけていた”と言います(「モダン・ゴルフ徹底検証」138頁)。足と芝の密着を重視し、スパイクのあり方を検討し、地面に”根を張りたかった“のだとも言っています(同書137頁)。

ところが、ホーガンの下半身の動きの説明には、「足の掴み」と手の繋がりの話は無く、そのままでは、前にも指摘したように、腰の動きに固定点のない右足の浮きやすいダウンになります。「螺旋」の調整でこれを修正する必要があるのです。