ハーディーの見逃した「モダン・ゴルフ」の欠陥:その真相 | ゴルフ直線打法

ハーディーの見逃した「モダン・ゴルフ」の欠陥:その真相

前回は、ホーガンの「モダン・ゴルフ」に欠陥を見出したと言うジム・ハーディーの、一平面・二平面理論の内容をざっと眺めました。一平面型は肩の回転を利用して体の周りにクラブを振る「反魔法の動き」風のスイング、二平面型は体の右側でクラブを上げ下げするスイングでした。

ホーガンのスイングは体の右側に急激に引き下ろすダウンの動きが特徴的です。したがって、ホーガンの理論で成功しなかったハーディーは本来一平面型で、苦労を重ねる中で二平面型の存在に気が付いのではないでしょうか。もしそうならば、ハーディーの二平面型は、ホーガン風のダウンを実現する、肩と腕の「魔法の動き」による「核心打法」型になりそうです。

ところが、体の右側での引き下ろしの説明では、右胸の前で引き下ろしを始めると同時に、肩から腰までの胴体を殆ど水平に、背骨と直角に左に回さねばならないと書いています(原著73頁)。この動きをゆっくり試してみて下さい(速い動きは危険です)。体を左に回しながら胸の右前に腕を引き下ろすと、右腕を外側、左腕を内側に回す「反魔法の動き」が現れる筈です。

体が左に回る分だけグリップを右に回さなければ、フェースはスクエアに保てないと考えれば、これは自明になります。この場合の肩と腕の動きの特徴は、左手の平が背中側に反り、右手の平が内側に巻き込まれ、共にアンコックすることです。この体勢では肩が自由に動き、方向性の確保も力の発揮も難しい。これはこれまでに既に繰り返し確認して来たことです。

ハーディーの二平面型のダウンの説明にそのまま従うと、肩と腕の「魔法の動き」が生む「核心打法」の動きは得られないのです。私の見る限りこれが事実なのです。

ハーディーの説明は、ホーガンのダウンの説明、「左の腰骨と真後ろの壁を結びつける幅広の弾力的な帯を考え、バックで引き伸ばされた帯がダウンで一気に腰を引き戻す」、とよく一致します。ところが、これが納得し難い説明であることは既に指摘済みです(「螺旋」を生かす脚の動き(07-05-22))。

ホーガンはインパクト圏での左前腕回外、すなわち「魔法の動き」を極めて重視しています。ホーガンのダウンの説明はこれに合致しません。これは「モダン・ゴルフ」の唯一の欠陥のように思われます。しかし、ハーディーの説明はこれを受け継いでいます。

ホーガンとハーディーがこのような説明に導かれた原因は何か。それは、目で見る体の動きの説明に意識が集中し、地球にぶら下がってクラブを振るゴルファーという、基本的な構造に対する注意が不足していたためと思われます。