「左の壁」を巡る話のあれこれ | ゴルフ直線打法

「左の壁」を巡る話のあれこれ

「左の壁」の話(07-05-16)に登場した、チ・チ・ロドリゲスのインターネット上のファイルは、グーグル検索でgolf left-wallと打ち込んで見つけたのです。「左の壁」としてはこのleft-wallよりhitting against a firm left side(しっかりした左サイドに向かって打つ)の方が一般的で、これで検索すると大変な数の結果が現れその内容も多種多様です。

左の壁については、1984、95年のマスターズ優勝者ベン・クレンショーの著、「理想のゴルフ」(土井新吉・構成 日刊スポーツ出版社 1978)に、師匠のハーヴェイ・ペニックから、球は“左サイドで打つ”もので、“左サイドに向かって打つ”のではない、と教えられたと書いてあります。昔から議論された話題であることが分かります。

シャフトがヒッコリーからスチールに代わる頃、近代打法の祖として登場したのがバイロン・ネルソンですが、このネルソンから教わった話として、インパクトで伸び上がってボールを見る体勢に入ると不安定なショットになる、上手なゴルファーはインパクト圏で低い体勢を長く保ってヘッドの軌跡も低く保たれ頭も残る、とケン・ヴェンチュリが書いています。(http://www.golfdigest.com/features/index.ssf?/features/50thanniv05.html)

ところで、このネルソンの打法の特徴を極めて明瞭に示す資料が手許にあります。インパクトでネクタイが正面を向いて下がっている写真です(ゴルフダイジェスト 1991年 1月 22日号58頁)。普通の姿勢では、確かにネクタイは背骨の正面を表しますから、これは背骨の正面を保ったインパクトということになるでしょう。

そこで背骨を前傾したアドレスの体勢から、インパクトの体勢を作ってみると、ネクタイが真っ直ぐ下がるには、背骨が大きく右に傾いて頭が右に引かれる必要があることが分かります。ここで前回の、尻の先端に左手、鳩尾(みぞおち)の上の胸郭下部に右手を当てて動きを確かめる方法を試してみて下さい。確かに目標方向との平行性が確認できます。

これでネルソンの動きを自分で再現する方法が見つかったわけです。これ以外にも、左脚を内側に引き込んで地面との結びつきを強めることが「左の壁」の具体的な内容である、という説明もあります。前々回の「「左の壁」より両腰と地球の結びつきが大切」(07-05-16))には、更に右と左の両方の脚腰が体を地球に結びつける動きの作り方があります。

これらの動きは、背骨と腰を脚に繋ぐ筋群が、膝を内側に引き込む動きで足を地面に食い込ませながら、上下左右に足を押す動きです。ここでも「体の動きには裏があれば表もある」(07-05-09)という形で、バックからダウンへのさまざまな局面で、動きの主役が交代します。しかしその最終目標は明瞭で、腕を振る背中の筋群を引き伸ばし続けてスイングを実行することです。