機械的な見方と科学的な見方
ゴルフの動きを「科学的」に捉えようとする試みは古くからあります。古い例では1958年に公表された英国ゴルフ協会の研究(Alastair Cochran & John Stobbs, Serach for the Perfect Swing, Triumph Books, 1999)、最近では物理学者ジョーゲンセンの著書があります(Theodore P. Jorgensen, The Physics of GOLF, 2nd edition, Sprinber, 1999. 生駒俊明監訳/藤井孝蔵・生駒孜子訳 ゴルフを科学する 丸善ブックス1996)。
これらの書物では、体の中心(スイングの中心)から伸びる一本の腕の先端にクラブが繋がって振られる、いわゆる二重振り子型のモデルを利用し、これを実際のスイングのクラブヘッドの軌道に当てはめて議論を展開しています。これは機械的なモデルによる説明ですが、科学的な議論とは言えません。検討結果が実際のスイングに結びついていないのです。
例えばジョーゲンセンの場合、深いトップの位置からインパクト時点までのヘッドの動きの写真記録にモデルを当てはめ、スイングの中心(両肩の中央付近)が、ほぼ一定速度で左に動くという結果を見出しています。実はこれではインパクト付近のヘッドの平坦な動きは再現できず、これはこの辺りでスイングの中心が上昇するためであろうと説明しています。
スイングの中心の左移動が、インパクト近辺での動き以外ではヘッドの実測データと良く合う結果を生んでいることから、スイングの中心の左への移動を重視しています。写真撮影のために実際にクラブを振った飛ばし屋プロが、この左移動でダウンの高いヘッド・スピードを生んでいることは疑いの余地はないと、ジョーゲンセンは言っています。
これらの説明を頭で理解するのは難しいけれども、スイング中心の左移動の効果を自分の体で確かめるのは簡単です。深いトップの位置に構えた所で、スイングの中心(両肩の中央付近)を左へ引くと言われれば、胸の上部の中心を左へ水平に引く気になります。この動きではヘッドが右に振り出され、これまで「二重振り子打法」(06-12-27)と呼んで来たまずい動きに入ります。
ところがここで、左右の肩甲骨の中間辺りの背中にスイングの中心があると考え、これを左へ引けば、グリップを引き下ろす動きが現れます。これは納得できるよい動きです。これで分かるように、「スイングの中心」が明確に定義されない限り、これを左へ引くと言われても実際の動きの作り方は決まらないのです。
その上、深いトップの位置からのダウンの動きの追跡からは、バックスイングの動きの議論は生まれません。実際のスイングではバックスイングが重要な動きで、これがダウンの動きの前提条件になるわけです。ジョーゲンセンの議論が実用から程遠いのは確かです。ゴルフの議論に単純な機械のイメージを当てはめるのは、危険が一杯なのです。
これらの書物では、体の中心(スイングの中心)から伸びる一本の腕の先端にクラブが繋がって振られる、いわゆる二重振り子型のモデルを利用し、これを実際のスイングのクラブヘッドの軌道に当てはめて議論を展開しています。これは機械的なモデルによる説明ですが、科学的な議論とは言えません。検討結果が実際のスイングに結びついていないのです。
例えばジョーゲンセンの場合、深いトップの位置からインパクト時点までのヘッドの動きの写真記録にモデルを当てはめ、スイングの中心(両肩の中央付近)が、ほぼ一定速度で左に動くという結果を見出しています。実はこれではインパクト付近のヘッドの平坦な動きは再現できず、これはこの辺りでスイングの中心が上昇するためであろうと説明しています。
スイングの中心の左移動が、インパクト近辺での動き以外ではヘッドの実測データと良く合う結果を生んでいることから、スイングの中心の左への移動を重視しています。写真撮影のために実際にクラブを振った飛ばし屋プロが、この左移動でダウンの高いヘッド・スピードを生んでいることは疑いの余地はないと、ジョーゲンセンは言っています。
これらの説明を頭で理解するのは難しいけれども、スイング中心の左移動の効果を自分の体で確かめるのは簡単です。深いトップの位置に構えた所で、スイングの中心(両肩の中央付近)を左へ引くと言われれば、胸の上部の中心を左へ水平に引く気になります。この動きではヘッドが右に振り出され、これまで「二重振り子打法」(06-12-27)と呼んで来たまずい動きに入ります。
ところがここで、左右の肩甲骨の中間辺りの背中にスイングの中心があると考え、これを左へ引けば、グリップを引き下ろす動きが現れます。これは納得できるよい動きです。これで分かるように、「スイングの中心」が明確に定義されない限り、これを左へ引くと言われても実際の動きの作り方は決まらないのです。
その上、深いトップの位置からのダウンの動きの追跡からは、バックスイングの動きの議論は生まれません。実際のスイングではバックスイングが重要な動きで、これがダウンの動きの前提条件になるわけです。ジョーゲンセンの議論が実用から程遠いのは確かです。ゴルフの議論に単純な機械のイメージを当てはめるのは、危険が一杯なのです。