腕を伸ばすことの意味:再論 | ゴルフ直線打法

腕を伸ばすことの意味:再論

前回の「核心打法」で「直線打法」の動きはほぼ完全に固まりましたから、これからはあれこれの話題についてのんびり話を続けたいと思います。

インパクトの腕の使い方には大きく分けて二通りあり、ダウンで一旦腕を引き締めてクラブを体に引きつけ、そこから伸ばしてボールを打つ方法と、腕を引き伸ばし続けて最後にボールを打つ動きが現れるという打ち方の二通りがあることを以前に書きました(「腕を伸ばすことの意味」(07-01-29))。

この話では庭の楓の幹を竹刀で突いた少年時代の経験に触れました。一旦適当な構えを取り、そこから突きに入ると、届く筈の竹刀の先端が幹の手前1、2センチ程の所で止まるのに対して、準備の構えを取って突く意識を捨て、その場からスパッと突きに入ると簡単に幹に届いたという話です。

この話では、二通りの突きの動きで違いが生まれる原因は明らかではありませんでした。ところが、前回のダウンの脚腰の動きの話から、この違いを生む動きの構造の差が明確になったように見えます。

一旦構えて突きの動きに入る場合には腕の動きが主導的で、これに対して体のバランスを取る仕組みが体を後ろに引いいていたと思われます。一方その場からすっと突きに入る場合は、背骨を前に倒すようにして突き、このため体の動きが前回のダウンの引き下ろしの動きと同じ形になり、この動きを引き止める尻の動きが現れて両腕が伸びていたと考えられるのです。

この剣道の話には更に続きがあります。連日の練習を何年も重ねながら、形は良くてもすっきり勝てない状態が永く続いたのです。この頃は相手の隙を見つけて打ち込む、特に小手(前腕先端部)を狙って打つ状況が続いていました。ある日練習中に、優れた技を持つ上級生から、一打で止めずに続けて打てと言われたのです。

これを試すことで状況が一変しました。一気に打ち込めば相手の構えに隙が生まれ、真っ直ぐ面を打つことができるようになります。この場合の動作も突きの場合と同じで、一気に腕を伸ばして打ちます。これで相手の面の後ろに近い所を打つようになりました。この突っ込んでいく形の動きでは、矢張り上体が前に傾きます。

一つの動きと見えるものが、実は様々な時間関係で行ったり来たりする動きの合成で出来上がっているわけです。ある時スイングの動きに開眼するのは、このような動きの仕組みを経験する瞬間の現象のように見えます。ただし、簡単な思い付きの開眼は、翌日には「閉眼」します。体の動きは複雑で、単純な機械のように考えるのは無理なのです。