ダウンのグリップの引き下ろし | ゴルフ直線打法

ダウンのグリップの引き下ろし

スイングのパワーの発生源は、地球を蹴飛ばす両脚の動きです。「ゴルファーは宇宙空間に漂う地球を蹴飛ばすことでクラブを振り、ボールを打っている」と考えれば、これは明らかです(参照:「体を動かさない方が飛ぶ?」07-01-27))。ホーガンの「モダン・ゴルフ」のダウンスイングの説明には、この点の指摘がありません。

「モダン・ゴルフ」以外の普通のゴルフのレッスン書にも、この点の記述は殆ど見かけません。これでは脚の動きの使い方が正しく捉えられる筈がありません。

ところで、「左腕は左右、右腕は前後」という「革命的イメージ」から、スイングが左右の動きと上下の動きで出来ていることが分かります。スイングのパワーの発揮には、これらの二方向の動きが必要で、腰の左右の動きを重視すると上下方向の動きの大切さが見えなくなります。

上下の動きについては、地球の上に立って生活する人間の場合、背骨を立てて支える脚腰の動きの仕組みは強力かつ完全で、これは日常の歩行動作でも活躍している筈です。こう考えると、この体の仕組みについて調べる気になります。

体の仕組みを知っている人は、ここで大腰筋を思い浮かべる筈です。これは、一頃テレビの高齢者の歩行訓練の話などでしばしば取り上げられた筋で、背骨の下部を大腿骨上部内側に繋ぐものです。骨盤上部の前側を大腿骨上部内側に繋ぐ腸骨筋と合わせて腸腰筋と呼ばれ、膝を引き上げたり(屈曲)、外側に引き出したり(外旋)の動きをします。

この構造から、腸腰筋が脚を通して背骨の動きを地球に繋ぐことが想像できます。両手でグリップの形を作り、深いトップの体勢からグリップを引き下ろすと、確かに両膝を引き上げる動きと外側に開く動きが現れます。この動きでグリップが右肘の高さまで下がった所で、更に両膝を外側に開くように両脚を踏ん張る動きを加えると、両腕が引き伸ばされて左へ引き抜かれます。

両膝の引き上げと外への踏ん張りでグリップの引き下ろしが終わる段階で両足を地面に固定し、そこから、これまで繰り返し登場して来た、尻の先端を右に引き戻す動きで両脚を踏ん張れば、両腕が伸びて左へ引き抜かれます。この動きでは胸の上部前面の両腕の振りの動きの中心(スイング・センター)が固定される形で腕の振りが実現し、これでスイングの方向性が確保されます。

このように理解すると、グリップの引き下ろしの動きが、安定なスイングを生み出す鍵になることが分かります。ダウンでヘッドを右に振り出すようにグリップが動く打法では、縦の引き下ろしの動きは現れず、体が左に回って地球との結びつきが弱まり、スイングの安定確保が難しくなります。これも「自己責任」で確認してみて下さい。